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2020 年より以前に本邦の透析患者数が減少に 転じるとする予測はあるものの,今のところ透 析患者数は増加の一途を辿っており,現在 30 万 人を超えている.これは単純計算すると国民 400 人に 1 人は透析患者ということになるが,高齢者 では 150~200 人に 1 人は透析患者であり(総務 省統計局のデータと日本透析医学会統計調査結果 より算出),決してマイナーな集団と言うことは 出来ないだろう.しかしながら,透析患者の合併 症に関する知見,エビデンスは極めて限定的で, 一般人口ではマネージメントが確率されている病 態・疾患でも透析患者におけるそれは不明である ことは稀ではない.心房細動(以下 AF)もその ひとつである.透析患者は透析導入時にすでに動 脈硬化が進行していることが多く,心血管イベン トの発症リスクが極めて高いコホートであるだけ でなく,腎不全のため一部の薬剤,バイオマー カーの代謝異常に加えて,毎回の血液透析で間歇 的に抗凝固薬(多くは未分画ヘパリン)に曝露さ れる特殊な集団であるため,一般人口とは異なる 管理が必要な可能性がある.なお腹膜透析患者と AF,ワルファリンに関しては報告がほぼ皆無で あるため,本稿では透析≒血液透析と解釈してい ただきたい.

Warfarin therapy on hemodilysis patient with atrial fibrillation ―It can be harmful