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1 緒 言 近年,機器に対して高機能化,小型化,あるいは軽量 化などが求められている.これらの要求を満たすため, 機器を構成する材料にも性能の向上が求められている. 単一の材料で必要な要求を満たすことができない場合, いくつかの材料を組み合わせて,接合することによって 要求を満たすことが行われる.異種接合材は従来,負荷 の少ない,あるいは破損しても構造に致命的な問題とな らない箇所に使用されてきた.しかし,近年では接合技 術が発達し,構造部材として利用されるようになってき ている.また,近年の複合材料の発達に伴い,接合する 材料には等方性材料だけでなく,CFRPのように弾性的 性質や強度が方向によって異なる異方性材料が用いられ ることが多くなっている. 異種接合材料の強度上の問題点として,接合界面端に 生じる応力,ひずみの特異性が挙げられる.接合界面端 の応力特異性に関しては,これまでに多くの研究がなされ ている.1)~ 4)直交異方性材料により構成された異種接合材 料の界面端に生じる応力特異性に関しても研究がなされ ている.5)~ 7)著者らは,応力関数の固有関数展開を用いて, 界面端応力特異性に関する特性方程式を導出している.6) 特異性の指数が重根となる場合に生じる対数関数型の 応力特異性については,これまでに多くの研究 8)~ 11)が なされているが,必ずしも最終的な結論は得られていな い.また,これまでの研究の多くは理論解析を中心とし たものであり,実際の応力分布に対数関数型の応力特異 性が生じているかを検討したものは見当たらない. 本研究では,異方性材料のうちでも弾性主軸が直交す る直交異方性材料を用いた異種接合材料を対象として, 自由縁応力特異性の解析を行う.特に,理論上,対数関 数型の応力特異性が生じる条件のもとで,境界要素法を 用いて接合界面上の応力分布の解析を行い,対数関数型 自由縁応力特異性に関する検討を行う.また,負荷条件 として,外力負荷と熱応力負荷の 2通りを用いて解析を 行った. 2 直交異方性異種接合材料の自由縁応力特異性 2・1 接合界面端部の自由縁応力特異性 本研究で対象とする直交異方性材料は,弾性主軸が x 軸,y軸に平行であるとする.この場合,Hookeの法則 は次式で表される.

Logarithmic Free-Edge Stress Singularity in Bonded Dissimilar Orthotropic Materials