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1 緒 言 非着底型低改良率深層混合処理工法は,盛土道路など の上部構造物の機能が保たれる範囲内で沈下を許容する 工法であり,従来の軟弱地盤改良工法と比較して,コス トを縮減できる可能性がある.非着底型低改良率深層混 合処理工法を高盛土構造物直下の地盤改良に適用する場 合,低盛土に比べて盛土荷重が大きく,不同沈下や側方 変位が発生する危険性が高いため,その抑制を目的とし て浅層固化処理を併用した組合せ形式での施工が行われ る.その際に,盛土荷重等の深層改良体への応力集中に 伴う浅層改良地盤の曲げ破壊の評価が重要となる.浅層 改良地盤を設計するための代表的な方法として,未改良 地盤を地盤に加わる応力と沈下量の比として決定される 地盤反力係数 kのスプリングの集合体と考え,曲げ応力 等を計算する地盤反力係数法が挙げられるが,深層改良部 から浅層改良部への地盤反力の分布は考慮されていない. 本報告では,深層改良部からの地盤反力分布を考慮し て浅層改良部に発生する曲げ応力を評価できる簡易計算 モデルを提案し,模型実験および実規模スケールでの数 値解析との比較からその検証を行った. 2 地盤反力の分布を考慮した曲げ応力計算モデル 2・1 深層改良部からの地盤反力分布の考え方 深層改良体には杭体を対象とする場合が多いため,浅 層改良地盤に発生する曲げ応力を評価するためには,3 次元でのモデル化が必要となる.ここでは,簡単化のた め壁式深層改良を対象とした 2次元条件でのモデル化を 行う.本研究では深層改良杭体の直径を深層改良壁幅に 置き換えることで,杭式深層改良地盤上の浅層改良地盤 に発生する曲げ応力の安全側を考慮できると考える. 浅層改良地盤に作用する曲げ応力を計算するためのユ ニットを Fig. 1に示す.軟弱地盤層厚をH,深層改良深 さをH1,浅層改良厚を h,深層改良壁幅を dとし,一様 上載圧 p1が作用する条件でモデル化を行う.その際に, 浅層改良地盤直下の未改良土および深層改良体から地盤 反力p2,p3が均等に作用すると仮定する.この時,深層 改良部を深層改良体と未改良土が剛性の異なる弾性バネ として,改良地盤が一様に沈下すると仮定すれば,浅層 改良地盤直下の応力分担比 n0(U)は次式で表される.

Evaluation of Bending Strength of Shallow Stabilized Ground with Floating-Type Deep Mixing Wall