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1 は じ め に 液状化対策として,地中に格子状の固化改良体を造成 する方法があり,これによれば地震時に拘束された地盤 のせん断変形が低減されるので,過剰間隙水圧の上昇が 抑制される効果がある.この効果は過去の地震で何例か 実証されており,特に,レベル 2地震動である 1995年 兵庫県南部地震においても,格子状改良地盤を適用した 杭基礎の建築物の損傷を免れ,格子内未改良地盤の変状 や液状化現象がみられなかったことが報告されている.1) しかしながら,空港滑走路等のような既設構造物直下で の格子状改良の施工は,一般的な大型の機械撹拌式深層 混合処理工法では適用困難である.この課題を克服する ために,1 施工機が小型,2 舗装面のダメージが少な い,3 高圧噴射工法でありながら改良径が一定に保て る,といった特長を有する X-jet(クロスジェット)工法 を用いた施工方法の検討を行ってきた. 石狩湾新港で行われた実大液状化実験で,X-jet工法に よる格子状改良を実施し,発破による模擬地震時に発生 した過剰間隙水圧などから液状化対策効果を確認すると 共に,施工性についても調査を行った. 2 実 験 概 要 2・1 地盤条件と改良仕様 当地の地盤状況は,地下水位は地表面下−2mで,N値 は 3~ 24,細粒分含有率 Fcは 12.5~ 22.1%(平均粒径 D50 = 0.142~ 0.221mm)の細砂もしくはシルト混じり 砂の埋立地盤である. この埋立地盤において,以下の改良仕様で施工した. 1 表層処理工 • 改良深度:地表面下 2m • 改良土量: 645m3 2 X-jet工 • 改 良 径: φ2500mm • 掘 削 長: L = 10.0m • 改 良 長: l = 8.0m • 打設本数: n = 16 2・2 実験仕様 格子状の改良体と滑走路と見立てて表層改良した改良 盤と計測位置の断面図・平面図を Fig. 1に示す. 当実験における計測項目および目的は Table 1に示す 通りである.特に,液状化対策効果として着目した水圧 と変形については,それぞれ間隙水圧計の計測を 6箇所 (格子内の中央部 3深度,端部 1深度と格子外の 2深度), 沈下板(鉛直)によるものを 9箇所(格子外 8箇所,格 子内 1箇所),変位杭(鉛直,水平)によるものを 21箇 実大実験における格子状固化改良の 液状化対策効果に関する研究 東 祥 二 原 田 健 二 仁 田 尾 洋 橋 本 則 之 鈴 木 亮 彦 初 山 幸 治 舘 下 和 行 菅 野 高 弘 中 澤 博 志 Study on Liquefaction Countermeasure Effectiveness of Lattice-Type Deep Mixing Based on Full-Scale Field Test