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1 緒 言 高温でのクリープ疲労余寿命評価 を精度良く行 うため には材料の変動ひずみ条件下におけるクリープ疲労特性 を明らかにする必要があること,お よびこのような変動 ひずみ条件下のクリープ疲労特性をもとに任意の波形下 の寿命を一貫 した考え方で評価できる可能性があること を著者 らはこれまでの一連の報告1)~7)に より明らかにしてき た.す なわち,Mod.9Cr-1Mo鋼 を供試材 として各種 のクリープ疲労ひずみ波形下においてひずみ範囲あるい はひずみ波形が変動する二段二重変動ひずみ試験を行い, この試験結果を予測 しうる寿命評価モデルを提案 した. さらに,SUS304鋼 溶体化処理材および時効材 を用い てひずみ波形がPP型 でひずみ範囲が変動す る二段二 重変動ひずみ試験を行い,1次 波の繰返 し加工硬化が2 次波の疲労寿命に及ぼす影響が小さい場合には提案 した 寿命評価モデルがSUS304鋼 について も適用で きるこ とを示 した. この寿命評価モデルの特徴はひずみ範囲分割概念に基 つく巨視き裂進展則6)を用いて平滑丸棒試験片の微小き裂 進展曲線を記述することと各波形モー ドに固有の初期き 裂長さと最絡き裂長 さの存在を仮定することにあ り,平 滑丸棒試験片のクリープ疲労特性,CCT試 験片の巨視 き裂進展特性および平滑丸棒試験片の二段二重変動ひず みクリープ疲労特性に基づいて任意の負荷条件下におけ る仮想的な平滑丸棒試験片の微小 き裂進展曲線を推定 し うることにある7). このような寿命評価モデルの妥当性を明らかにするた めには,さ らに他の材料への適用性について検討 し,そ の一般性を検証するとともに,提 案モデルに より推定さ .れる微小き裂進展挙動 と実際の微小 き裂進展挙動の比較 を行い,両 者が対応 していることを確認する必要があ る. 以上の観点か ら本報では316LC鋼 を用いてひずみ波 形がPP型 でひずみ範囲が変動する二段二重変動 ひず み試験 を行い,提 案モデルの316LC鋼 への適用性を明 らかにするとともに,平 滑丸棒試験片における微小 き裂 進展挙動の観察を行い,提 案モデルによる推定結果 との 対応について検討 した.

High Temperature Fatigue Properties of Type 316LC Steel under Variable Straining.