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マグネシウム合金は実用金属中最軽量であり比強度が高い ため,電子機器の筐体や輸送機器部品への適用が拡大してい る。しかし,マグネシウム合金圧延材は,底面(0002)が圧 延板面に対して平行に配列する結晶集合組織を形成すること から,常温での成形性が非常に乏しい。そこで現在,マグネ シウム合金展伸材の使用拡大のために,塑性加工による組織 変化および材質改善の研究が広く進められている。 酒井の研究によれば,AZ31マグネシウム合金展伸材の室 温曲げ変形に伴う結晶方位の変化において,引張側表層部は 方位変化がないが,圧縮側では隣接結晶粒同士の方位差が十 分大きくなることが報告されている。このことは引張側と圧 縮側では異なる微視的変形挙動をとることを意味する。 また著者らの実験によれば,AZ61マグネシウム合金鋳造 材から採取したランダム方位の試験片と 523 Kでの温間押出 材から採取した試験片の室温における引張および圧縮におい て,Fig. 1に示すような応力 –ひずみ線図が得られた。引張 と圧縮で非対称となり,圧縮側でのみ鋳造材,押出材のどち らも公称ひずみ 0.01付近で内部組織に双晶形成による降伏現 象が見られる。特に六方晶底面が試料表面に平行に配向して いる押出材で顕著であり,引張双晶変形により結晶方位の回 転があると思われる。 そこで本研究では,この底面集合組織の形成と双晶変形に よる結晶方位の回転を利用して,圧延板の底面集合組織を分 散させる方法に着目した。底面集合組織を形成した圧延材に 対して室温下で曲げ加工を施し,曲げ圧縮側に引張双晶を発 生させた。これを反転させ曲げ加工を繰返し施し,板全 研究論文

Effect of twin formation by repetitive bending on texture of AZ61 magnesium alloy sheet and improvement of formability