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高効率発電プラン トの蒸気条件の向上に不可欠の部材を 構成する高Crフ ェライ ト系耐熱鋼 には,環 境負荷低減の 観点から高いクリープ強度が必要であり1),こ れまでに9~ 11%Cr鋼 の クリープ特性向上研究 が精 力的に進められ2), 一部 には600°C ,10万 時間の クリープ破断強度が100MPa を凌駕する材料が実用化 されている3)。しかし,ほ ぼ全て のフェライ ト系耐熱鋼 には溶接熱影響部(Heat Affected Zone,以 降HAZと 略記す る)外 縁 の細粒域 に発生 する, Type IV損 傷 と称 され る低延性破壊型のク リープ寿命低下 現象が見 られ,設 計による応力負荷の軽減対策などで,あ る程度の緩和が可能ではあるが,発 生機構が明確でないこ とから根本的な解決策は提案 されていない。著者 らは機構 解明のために必要な,Type IV損 傷が発生する溶接継手の 部位 とミクロ組織を特定 し,同 転位組織の生成機構につい ての仮説を提案 している4)。すなわち,以 下の事実 を実験 的に再現 し,明 らかにした。 (1)HAZ外 縁に相当す る部位 は母材の焼戻 しラスマルテ ンサイ ト構造が急熱 ・急冷 される場合に一度Ac3点 直上に 再加熱 され,フ ェライ ト相(α)がオーステナイ ト相(γ)へ 逆変態す るが,最 高加熱温度 はたかだか1000°C 近傍で あって,γ 粒は短時間の内に冷却 され,成 長することなく 細粒域 と呼ばれ る組織 を形成する。 (2)細粒域ではクリープ破断寿命が他の溶接継手部位に比 較 して短 く,ク リープ変形抵抗が低下 していると考 えられ る。 (3)細粒域の転位組織は,短 時間HAZ熱 サイクルで生 じ る炭化物の不完全固溶に起因す る基材の固溶炭素低下とγ 粒径の微細化により,冷 却時に生成するラスマルテンサイ ト構造の焼入れ性が低下 して,続 く溶接後熱処理(Post Weld Heat Treatment,以 降PWHTと 表記する)に よって回 復サブグレイン組織化する。 (4)不完全固溶炭化物上 には炭化物が再析 出して,HAZ 熱サ イクル とPWHTに 起 因す る析 出物,主 に(Fe,Cr)23C6 (以降M23C6と 呼称する)と(Nb,V)(C,N)(以 降MXと 呼称 する)の 粗大化が生 じる。 以上のType IV損 傷発生組織の特定 と組織生成機構の推 定によ り,Type IV損 傷 を生成する組織が有する特徴はほ ぼ金属組織学的に説明することが可能となる。 しかし,根

Creep Deformation Process Determining Microstructure of Type IV Creep Damage of the Advanced Ferritic Heat Resistant Steel with High Cr Content