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近年,製 鉄コス ト低減のため,こ れまで劣質とされてい た安価な原燃料の利用が拡大 されている。 この中で,コ ー クスの原料である石炭も新規の安価炭が利用されるように なったが,よ り効率的に利用するためには,各 石炭の コー クス化性状 を詳細に把握,評 価することが重要になって く る。 コークス工程において,1000°C に熱せ られたコークス 炉内で石炭は乾留 されるが,温 度上昇 に伴い石炭 は軟化, 溶融,再 固化の過程 を通 じて最終的に高炉操業に供す るに 十分な強度 を有するコークスを得る。このときの軟化状態 やその開始温度はコークス化 を目的 とした石炭 を評価する 指標 として旧来か らの粘度測定1)やNMRな どによる化学 構造の変化をとらえた結果2)が利用 されているが,600°C を超 える高温域 についての情報についてはその変化を直接 観察できるような方法がなく,従 って再固化に至るまでの 全反応 を把握するには至っていない。 一方 ,石 炭のコークス化過程では,そ の熱分解時のガス 発生挙動を把握することはこれが反応 と密接に関係するだ けに特に重要であると考えられる。このため,こ れまでに も多くの研究34)が行われているが,実 験に用いられた石 炭の種類は限定 されており,熱 分解の条件 も軟化溶融近傍 の400~500°C 程度 までの もの がほ とん どであって,石 炭 の再固化が完全に終了する高温域 までの系統的な検討はな されていない。 これら研究におけるガス分析手法としてはガスクロマ ト グラフ ィー(GC)が 一般に用いられている5)。この方法は, 存在する多種のガス成分をカラムによって分離 した後測定 す るため,短 時間で変化する反応生成 ガスを連続的に測定 す ることは原理上困難である。すなわち,GCで は単位時 間における平均的なガス濃度の変化が断片的に捉えられる だけであり,連 続 して進行するコークス化反応の個々の素 反応 を詳細に把握することはできない。また,検 出器 とし て質量分析計(MS)を 用いる手法もあるが,発 生ガスのMS への導入には工夫が必要な上 ,雰 囲気 も制限される。 そこで,本 研究では石炭のコークス化に伴 う反応を全温 度域 にわたって観察で きる方法 を開発することを目的に, 優れた時間分解能でガスモニタリングできる技術の確立を 行った。 本報文では,赤 外線吸収法やガスセンサを利用 したガス モニ タリングシステムを新たに検討 し,実 際に室温か ら 1000°C までにわたる温度域において性質の大きく異なる2 種の石炭についてガス発生挙動を調べたので,こ れらの結 果について報告する。

Development of Continuous Monitoring System for Gas Generation Behavior during Coking Reaction