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鉄鋼素材中に介在物が存在すると,鋼 材の割れや圧延加 工時に切断破壊が発生するため鋼材の高純度化の研究・開 発が行 われて きた.こ の介在物 と りわけ酸化物 の量 を μg・g-1レ ベルで把握す るために,鋼 中の酸素成分を高感 度・高 精度で分析す る方法および装置化が必要 とされてい る.通 常,鉄 鋼における酸素分析は不活性 ガス融解一赤外 線吸収法によって測定 されているが,微 量酸素 を高精度に 分析するためには,測 定の前に試料表面の酸化膜 を完全に 取 り除くことが必要である。 また,使 用する黒鉛ルツボ中 に含まれる酸素化合物(水 分,酸 素,二 酸化炭素,一 酸化 炭素など)の 含有量を低減 させた状態で使用することも重 要である。表面の酸化膜 が取 り除かれた後の鉄鋼は,容 易 に酸化 し酸化膜を形成するか,も しくは水分を吸着す ると 考 えられている12).従 って,表 面の酸化膜が取 り除 かれ た後の試料を大気中に取 り出すことなく微量酸素を測定す ることのできる分析装置の開発が求められている。我々は, 電気炉を用いた炭素還元炉を試作 し,不 活性ガス(ヘ リウ ム)中 で鋼表面の酸化膜の除去を試みた。 しかし,加 熱還 元 された試料は,炭 素中の微量に存在する酸素化合物によ り,不 活性ガス中で室温 まで放冷する時に,再 度鋼表面に 酸化膜 を形成す るため完全に除去す ることができなかっ た。近年,不 活性ガス融解法のインパルス炉の試料投入部 にグロー放電によるスパ ッタリング前処理装置3)やインパ ルス炉で試料表面の酸化膜 を除去後,大 気中に取 り出し再 酸化の一定化を図る方法4)および不活性 ガス融解一赤外線 吸収法を用いた予備加熱表面酸化膜除去/ス ズ添加法5)な どの新 しい分析技術の開発も進められている.し かし,グ ロー放電によるスパ ッタリングでは,電 極接点部分の酸化 膜除去の不完全 さや装置の大型化などが懸念 される。再酸 化の一定化を図る方法では,大 気中に取 り出している時間 を短 く一定に しなければ分析値にバラツキを生 じると考え られる。また,予 備加熱表面酸化膜除去/ス ズ添加法では, 金属 フラックスのスズおよび黒鉛ルツボか ら発生する一酸 化炭素のブランクによるバラツキが高精度分析 を行う上で 問題 となっていた。今回,表 面酸化膜を予備加熱で還元除 去 した後,密 閉状態で黒鉛ル ツボ内か ら試料を取 り出 し, 金属フラックス(ス ズ)の 投入,脱 ガス,ゼ ロ点補正 を 行った後に,保 持 していた試料を再投入する不活性 ガス融

Development of Determination of Trace Oxygen in Steel Using Molten Tin after Removing Surface Oxide under the Closed System