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鋼の連続鋳造から熱延にかけてのプロセスにおいて,省 エネルギーや工程省略による更なるコス ト低減を図るため に,熱 片装入(Hot Charging)や 直送圧延(Hot Direct Rolling) が行われてきているが,鋳 片の無手入化が必須条件である. しかしながら,厚 板やラインパイプに用いられる低炭素 ・ 低合金鋼の鋳片では曲げあるいは矯正時に発生する横ひび 割れが問題 となるために,上 記プロセスの大 きな障害 と なっており,横 ひび割れの抜本的防止策が切望 されてい る。 横ひび割れはγ→α変態温度域 における低歪み速度変形 に伴 う高温脆化 に起 因す ることがよ く知 られてい る1-5). γ→α変態 に伴いγ粒界ヘフィルム状の α相 が析出 し,歪 みがこの α相に集中することに加え,低 歪み速度変形時に NbCやAINな どが動的析出して粒内を硬化するため,さ ら に歪みの集 中が助長 され る。γ粒界に沿 う無析出帯やフィ ルム状の αで界面剥離 を起こし,こ れによって生 じたボイ ドが連結 してγ粒界延性破壊に至 る6,7)。そのため従来は避 けられない脆化 として,矯 正帯などにおいては,鋳 片表面 の脆化温度域を回避するように鋳造速度,冷 却条件を制御 する必要があり,操 業上の制約が大 きく問題となっている. また,こ の脆化はγ粒を細かくすることで軽減できる8,9)が, 連続鋳造時にγ粒径 を顕著に微細化する方法を確立するの は困難である。これに対 して,2次 冷却条件を適正に選択 すれば,横 ひび割れが防止可能 となる ミクロ組織が生成す ることが報告10)されている。筆者 らは,鋳 片表面を高温領 域か らいったん γ→α変態点以下 まで急冷却 し,極 短時間 で γ域まで復熱 させ ることで,鋳 片表層 をフィルム状 αの 生成 を抑制 した組織に制御で き,そ の結果,横 ひび割れを 防止できることを明らかとした11)。 本研究では,そ の手法に関する高温脆化挙動の変化を明 らか とするために,実 際の連鋳鋳片表層組織 を再現可能 と する,試 験片をいったん溶融させた後に凝固できるコール ドクルーシブル型の高温引張試験手法 を新たに考案 し,高 温延性に及ぼす鋳造 まま組織の影響について検討 した。

Improvement of Hot Ductility in Continuously Cast Strand by Ferrite Precipitation Control