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自動車を用途 とした340~440MPa級 高張力鋼板 として は,Mn,RSiな どの元素 を添加 した固溶強化型の鋼板が適 用 され,さ らに高強度の鋼板になると,組 織強化,析 出強 化が組み合わ されて用い られることが多い1).し か しなが ら,焼 鈍後二次圧延を行 う加工強化機構は,急 激な延性の 低下を伴 うため,高 加工性 自動車用鋼板には不適切 とされ ている. 一方 ,缶 用鋼板では,そ の加工法の違いから,均 一伸び などの要求が厳 しくなく,そ のゲージの薄 さから一次冷間 圧延では十分に減厚できず,厚 み低減 と強度 を同時に達成 するため二次圧延を施す ことがある2).そ の代表的なもの の1つ にDRD(Drawn and Redrawn)缶 が挙げられる. このような2ピ ース缶では絞 り成形時に耳(イ アリング) と言われる成形高 さの円周方向での異方性が発生すると, 鋼板の歩留 りを低下 させることから,イ ヤ リングの小 さな 材料が望まれている。缶用鋼板のイヤリング性には一次冷 間圧下率と二次冷延圧下率の影響が大 きいことが明らかと されている3). 一方 ,最 近加工性に優れる極低炭素鋼板がぶ りき原板に 使用されるようになってきている。極低炭素鋼は鋼中の炭 化物が非常に少なく,冷 延 により導入 される歪は鋼中の炭 化物の影響を受けるため,従 来多用されている低炭素鋼と はイヤリング性に及ぼす冷延圧下率の影響が異なることが 考えられる. また,面 内異方性 に及ぼす二次圧延の影響については, 久々湊 らの報告2)があり,二 次圧延によりΔγが小さくなる ことが報告 されている. これ ら極薄缶用鋼板の面内異方性の改善には,鋼 板の化 学成分(極 低炭素鋼板の場合Nb添 加量)あ るいは,圧 延 率,熱 延条件 を適正化することが重要である. 本論文では,特 に,薄 鋼板の面内異方性を制御するため に,一 次圧延率,二 次圧延率および炭素量の影響 を明らか にすることを目的とす る。 さらに,面 内異方性の変化つい て集合組織の変化との関連から研究 した結果を述べる.

Effect of Single and Double Cold-rolling Reductions on the Planar Anisotropy of <I>r</I>-value in Sheet Steels