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機械工学や化学工学などの分野でみ られる気液二相流の 大部分は濡れ性のよい管路内を流れており,古 くから行わ れてきた膨大な研究によって,流 動様式はもとよりの こと, 各流動様式における気体と液体の流動特性 についても豊富 な情報が蓄積 されている図)。 一方 ,本 研究で対象とする鉄鋼精錬の分野で も,気 液二 相流は多くのプロセスでみ られるが,壁 から融体への汚染 をできるだけ少なくするために,反 応容器や管路には融体 との濡れ性の悪い材料が用いられている5)。ところが,管 路は一般に不透明であり,融 体の温度 も高 く,し かも実験 に危険が伴うことから濡れ性 と上記諸特性との関係につい て系統的知見は得 られていない。わずかにレイノルズ数が 小さい場合の水平円管内における流動形態の一端が水モデ ル実験に基づいて報告 されているに過 ぎない6)。周知の よ うに,濡 れ性は接触角θcで定量化される。ここではθc<90° のとき濡れがよい,θc>90°の とき濡れが悪いと定義する。 既存のプロセスの効率向上はもとより,新 しいプロセス を開発するに際 しては,反 応容器や管路内の融体の流動特 性や気泡の分散状況を正確に把握する必要がある。 このよ うな認識に基づき,最 近では流動と濡れ性 との関係につい ても注目が集 まり,活 発な研究が開始 されつつある7,8)。 著者らもRH脱 ガス装置やガス吹込み浸漬 ノズル内の流 動特性を把握す るための基礎的研究 として,空 気一水系の 垂直管内気液二相流の流動様式および流動特性 と濡れ性 と の間の関係に着目し,実 験を始めている9鋤。本研究では, 実際の連続鋳 造設備における浸漬 ノズル内の溶鋼とアルゴ ンガスの流れの向 きとは異なるが,ま ず水と空気がともに 上向きに流れている場合の流動様式に着目し,管 路と水 と の接触角 θcを36°, 77°, 104°と広範囲に変化 させて流動様 式に関する実験 を行った。

Wettability Effect on the Flow Pattern of Air-water Two-phase Flows in a Vertical Circular Pipe