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鉄鋼業においては,製 鋼 プロセスを中心 としてその品 質 ・工程管理に際 して固体試料の直接分析法が広範に使用 されており,製 造過程全般に対 して不可欠な分析情報を提 供 している。現在,主 にスパーク放電発光分析法が使用 さ れておりルーチン分析法 として確固たる地位を占めている が,近 年の精製技術の進歩に伴い素材中に含まれる不純物 元素の低減化がなされ,そ れに対応できる分析法の改良 ・ 開発が必要 となっている。日本鉄鋼協会においても学会部 門において研究会を発足 させ,新 たな分析法の検索という 観点から活動を展開 している1)。 グロー放電発光分光法は,レ ーザ発光分光法やレーザア ブレーシ ョンICP発 光分光法と並んで固体試料 を対象とし た元素分析法である。 さらに,グ ロー放電プラズマは極め て安 定に動 作 し,そ の発光 スペク トルは高いsigm1-to高 background比 を持つことから,本 質的に微量分析 に適す る 励起源であると考えられる。 しかしなが ら,本 法を微量濃 度領域の定量分析に適用するためには,プ ラズマ自体を高 輝度化 して検出感度をさらに向上 させる研究開発が要求 さ れている。高周波グロー放電発光分光法2)は,絶 縁性の試 料に対 しても適用ができる利点を有 し,従 来の直流グロー 放電に代わって普及しつつある。高周波グロー放電におけ るカソー ドシースは自己バイアス電圧により保持 されてお り3),こ の電圧降下が陰極におけるスパ ッタリング現象を 支配 していると考 えられる,,自 己バイアス電圧を制御する ことにより,発 光分析用プラズマ励起源の特性を改善する 試みがいくつか報告 されている4-6)。例えば,Sturgeonら は, 高周波励起の黒鉛炉発光光源について,外 部電源よりバイ アス電圧を供給することにより発光強度が高められる研究 結果を報告 している6)。筆者は,Grimm型 の高周波グロー 放電管において,外 部負荷回路により自己バ イアス電圧に 起因する直流電流 を放電プラズマに流すとその発光強度が 増大することを報告 し,発 光分析用励起源の高輝度化の一 つの方法として提案 した7)。 本報では,こ の直流バ イアス電流導入法が発光分析にど の程度有効であるかを調べるために,Fe基 の各種二元合 金を試料 としてその合金元素についての検出限界を測定し たので,そ の結果について報告する。

tetsu to hagane

Improvement of the Detection Limits in Radio-frequency-powered Glow Discharge Optical Emission Spectrometry Associated with Bias-current Conduction Method