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取鍋内やタンディッシュ内の溶鋼中へArガスを吹き込 み,Ar気泡を分散させることにより介在物の浮上除去や脱 ガスを促進することが広く行われてきた。この吹き込まれ たガスを効果的に利用するには気泡の微細化が有効である ことが報告されている 1,2)。近年,特に品質特性向上のため の溶鋼の清浄化に対処するため,溶鋼中へ微細な気泡を安 定的に吹き込むことによって介在物除去を促進する技術が 開発されてきた。 従来,取鍋内やタンディッシュ内の溶鋼中に微細な気泡 を生成させる手段として,微細気孔ノズル 3),狭スリット を有するノズル 4)や旋回ノズル 1,5),さらには超音波印加ノ ズル 6)等の技術が試みられてきた。一般的に溶鋼中へガス を吹き込むノズルにはアルミナを代表とする酸化物系耐 火物が使用されているが,これは溶鋼とは濡れにくいため にノズル表面で気泡が大きく成長し,微細な気泡を得るこ とは困難である 2)。このようなノズルを用いる場合でも, 大流量のガスを吹き込むと攪拌強度が大きくなる効果に よって大きな気泡とともに微細な気泡も発生するようにな る 7)。しかし,例えば,タンディッシュ内で溶鋼中に大流量 のガスを吹き込むと,溶鋼表面に浮上してくる気泡によっ て溶鋼表面が大きく乱され,溶鋼表面に浮かんでいるスラ グや溶鋼中から浮上してきた介在物が再び溶鋼中に巻き込 まれてモールド内へ流入する 8)。旋回ノズルではノズルを 回転させることによって生ずる剪断力を利用して低流量の ガス吹き込みでも微細な気泡を生成させることが可能で あるが,溶鋼中では耐火物の寿命が短く実用化されていな い。また,超音波振動を印加したノズルからガスを水中に 吹き込むと,振動によって微細な気泡が生成することが知 られているが,溶鋼に対する実施例はない。 これまでに単孔ノズルやオリフィスから吹き込まれた気 泡の径におよぼすノズル径や気孔径の影響については多く の報告があり 9-11),微細な気泡を発生させる条件はある程 度得られている。また,旋回流動下で単孔ノズルから発生 する気泡の発生頻度が増加し,気泡の大きさが減少するこ とが報告されている 12,13)。しかし,多孔体であるポーラス プラグから吹き込まれる気泡の径に及ぼす気孔径の影響に 論 文

Bubble Formation into Flowing Liquid Through a Refractory Having Bad Wettability and Inclusion Removal in Tundish by Ar Bubbles