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日本の粗鋼生産量は年間1億トン程度であるが,その過 程では約 3500万トンものスラグが副生している。高炉ス ラグはこれまで100%近くが再利用されてきたが,他のリ サイクル資材との競合などもあり,更なる高付加価値再生 化が望まれている 。大量に生成するスラグに見合った需 要を考えると,機能性建材への応用がその候補として挙げ られる。高強度建材を作製することを目的として,スラグ 単体やスラグと他の添加物との混合物を原料とした水熱 ホットプレス法 による固化体の生成に関しては,これま で種々の研究がなされてきた 。水熱ホットプレス法と は水熱反応を利用した固化法である。通常のセラミックス の焼結が 1000°C以上で行われるのに対し,水熱固化は 150 350°C程度という低温の固化反応であるため,鉄鋼プ ロセス等の低温廃熱が利用可能である。また,原料と水の みで固化体が得られる等,水熱ホットプレス法は低環境負 荷,省エネルギーという優れた特徴を有している。上述の スラグ水熱固化体に関する研究において,Jingらは高炉ス ラグにSiO2等を添加することによりトバモライト (5CaO · 6SiO2 · 5H2O) が生成されると得られた固化体は極めて高強 度を有することを明らかにしている 。また,スラグ中 のAl2O3は上述のトバモライトの生成反応を阻害すると考 えられているが,著者らはAl2O3を10 mass%以上含む高炉 スラグにおいて,スラグ中のMgOがその阻害傾向を抑制 し,高炉スラグの固化反応に対して有効に作用することを 見出した 。 しかしながら,水熱ホットプレス法によってスラグ粉末 を単に固化するだけでは,強度以外の高機能性の付与は難 しい。一方,筆者らは材料への微細孔の導入による材料の 高付加価値化に着眼し,それに基づく研究をこれまで進め てきた 。そこで本研究では,スラグを原料とする 水熱ホットプレス法による固化体の作製において微細孔の 導入の可能性を検討するために,スラグ粉末粒子間に形成 される空隙に着目した。スラグ粉末の粒子径が比較的大き ければ,スラグ粉末粒子間に空隙が形成されると考えられ る。その空隙は固化体中の微細孔として働くため,得られ た微細孔を有する固化体は,断熱材,保水材,吸着剤, フィルターなどへの応用が期待できる。 以上の背景に基づき,本研究では,水熱ホットプレス法 による高炉スラグを原料とした微細孔を有する固化体の作 製を行った。固化体中の微細孔については,SEMによる 固化体断面観察や嵩密度測定により評価した。更に,断熱 性建材を作製することを目的として,得られた固化体の熱

tetsu to hagane

Fabrication of Porous Solidified Materials from Blast Furnace Slag Using Hydrothermal Hot-pressing Method and Measurement of Thermal Conductivity of Solidified Materials