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ウニは世界で 20 数種が食用となり,そのほとんどが ホンウニ目に属する。いずれも沿岸の岩礁域に分布し て,生育あるいは流出した海藻を主に摂食する植食動物 である。日本ではエゾバフンウニ,キタムラサキウニ, バフンウニ,アカウニ,ムラサキウニ,シラヒゲウニの 6 種が主要な漁獲対象種である。日本全体のウニ漁獲量 (殻付き重量)は,1987 年の 23,000 トンから 2009 年 の 11,000 トン前後に減少した。東北太平洋と北海道で 漁獲されるキタムラサキウニとエゾバフンウニの 2 種 でその 7 割以上を占める。1,2) 古くからウニは種によっては高い摂食圧によって海藻 群落を崩壊させることが報告されてきた。3)そして,ウ ニの個体数は,アラスカ州のアリューシャン列島,カナ ダのノバスコシア沿岸,アメリカのメイン湾では,捕食 者,加入,病気あるいは漁業によって調節されて海中林 とよばれる大形のコンブ目褐藻群落と殻状の紅藻無節サ ンゴモ群落とが交代するとされている。4)しかし,ウニ の個体群の動態に海藻群落がどのように関わっているの かという視点からは研究は行われてこなかった。本研究 では,主に北日本の沿岸岩礁域におけるウニの個体群成 長と生物生産,再生産を海藻群落との関係で明らかにし た研究結果を述べる。

Ecological studies on the population dynamics of sea urchins associated with the communities of marine algae