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超薄切片法において今 日常用 されてい る合成樹脂包 理法に於け る最大の障害は屡 々重合単量体 内にで きる 気泡であ る。之 の気泡は組織内部を傷 つけ,或 は全 く 組織片の切断 を許 さない。その頻 度が及ぼす実験能率 の低下 もさるこ と乍 ら,貴重な(2度 と得難い又は数の 少い)試 料 に於 ては致命的である。 この問題がは じめ て東に よつ て詳細に実験 され て以来 内田, Hartmann 等 に よつ て もとりあげ られ ているが,そ の原因が判 き りしない ま ゝ内外多数 の研究者を悩 して来ている。然 し少 くともこの気泡成分 は物理的に又化学的 に発生す る(カ プセル内の組織 と包理剤 との関連に於て)気 体 か らな ると考 へ うる.前 者にはこれ らのsystemが 溶 存又は包存する気体(主 として空気)の 加熱 による放 出, systemn(主に樹脂)の 気化に よる同種性気体の蒸発, 又は カプセルの樹脂 の重合収縮に対 する阻 止 効 果 に よる気化 の誘発等が考へ られ,後 者には触媒が主役 を 演 じる化 学反応産物 としてのガス産生が考へ られ る。 そ こで気泡発生に対す る根本的処置は ガス産生 因子 の除去 と言 う事にな るが,実 際 には部分的にのみ行 ひ うる制限を もつ。例えば主要 なagent-carrierの 一つで ある組織(之 は恰 も熱湯 に於け る沸騰 石の役 を もつ と 考 へる)は その種類や処理様式に よつて気泡発生頻度 及び程度を異にす るが,こ の目的の為に特 に組織又は その処理 条件 を考慮す る事は当然好 ま しくない。 尚諸家 はカプセルの弾性 の効果(東),重 合刺戟法 の 改良(紫外線照射に よる室温重合),触 媒の新鮮度 とそ の種類 の影響(Hartrnann),或 は重合温度 との関連(内 田)3)等に留意 してある程度 の成績をあげてきた.何 れ にせ よ気泡は事実上発生す るのであつて,唯 重合終了 時残存 した気泡 が問題 とな る。 しか も組織 によつ て, 例えば皮膚組織,生 菌(乾 燥菌を直ちに無水 アルコー ル・ メサ ク リレー ト混合液に浸 し以下型 の如 く処理 し た ものを仮に呼ぶ 等では極めて著 しく,後 者は同一 菌の固定群 と比較 して固定菌では皆無又は一,二 の発 生をみたのに反 し生菌では常に100%発 生 した.半 流 動時既 にその形成が認め られ て指圧駆出法を行つて も 十分効 を奏せず,乾燥 カプセルの破損率が高い。そこで 遠心法 による気泡除去を試 みて成功す ることを得た。 本法 は特に貴重な試料又は気泡出現の可能性多い もの に応用 して顕著な効 果が確実に且つ比較的容易に得 ら れ るので奨 めるに値す る と思 う.

A NEW TECHNIQUE OF REMOVING BUBBLES FORMED IN THE CAPSULE CONTAINING AN EMBEDDED TISSUE BLOCK DURING HEAT-POLYMERIZATION OF THE PLASTIC