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シアー関数は物理量の勾配 とフラックスを結び付ける 拡散係数 に密接に関係 してお り,モ ニンーオブコフ相似 則(以 下MOS)の 中で も最 も重要な関数形である.現 況のメソ気象モデルでは,都 市-大 気間の運動量 ・熱エ ネルギーの乱流交換のモデル化に,平 原における観測に 基づいて提案 されてきた従来のシアー関数をそのまま拡 張適用 している.し か しながら,都 市は凹凸の集合体で あるために,乱 流輸送のメカニズムが平原や植生キャノ ピーとは大きく異なることが容易に想像でき,従 来のシ アー関数が都市においても適用できるとい う保証はない. そのため,都 市境界層 において実測によりシアー関数 を 確認す ることは とて も重要である.近 年,風 洞 実験や LESモ デルなどで建物配列上の対数則分布が確認 されは じめている(例 えば,Cheng and Castro(2002)1),Kmda et al.(2004)2)など).ま た現地計測による対数則分布の報 告例もあるが(例 えば,Roth(2000)3)),ど れも中立時 の場合のみである.実 際の都市において熱的な効果を考 慮した風速 ・温度プロファイルの実測例は前報4)を除い て筆者の知る限り無い.し かし前報では,夏 季の数日間 に取得された風速 ・温度 ・乱流データをもとに,こ れら の大気安定度依存性について概要を述べたにとどまって いた.本 報はその続報にあたるもので,そ の後に蓄積さ れたデータをもとに,MOSの 中でも最も重要である風 速 ・温度のシアー関数について検討する.さ らに,運 動 量 ・熱の乱流輸送効率と解釈 され既往の接地層に対する 研究でよく用いられてきた乱流相関係数についても同時 に調べ,こ れ らを既往のMOS関 数 と比較することによ り,建 物の凹凸で構成される都市キャノピーの運動量お よび熱の乱流輸送の特性について検討した.建 物の存在 がこれらの乱流統計量に与える影響についても詳 しく検 討した.

SHEAR FUNCTIONS OF WIND AND TEMPERATURE IN AN URBAN SURFACE LAYER