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本研究で対象とする鹿児島県の奄美大島は,内陸部で は国内最大規模の亜熱帯照葉樹林が広がり,多くの固有 で希少な動植物が生息する.また海岸部ではサンゴ礁, マングローブや干潟等の多様な環境を有する.そのため 陸域海域ともに生物多様性が高く国際的にも保全重要性 の非常に高い地域の一部であると評価されている.この ような重要な地域で,2010年10月下旬に発生した記録的 な豪雨による濁流は河川から海へと流出しサンゴ礁に大 きなダメージを与えた.特に国内有数の規模のマングロ ーブ林,干潟を有する住用湾周辺でその被害は最も大き かった.しかしこのような大規模な災害では,陸域の被 害対策が優先され,水域の現地調査自体が危険であった こと等から,災害直後のサンゴの被害調査は極めて難し かった.そのため,災害直後はもとより災害直前のモニ タリングとして,海岸管理者は岸からの目視やカメラに よる海水の色の変化からサンゴ礁の状況を間接的に推測 することも重要となる.ただし,目視やカメラによるサ ンゴ礁上の海色は底質の種類や水深により異なり,客観 的な判断も非常に難しい. そこで本研究では,そのような目視判断基準の一助と して,底質の反射率も考慮される生物光学モデルを利用 して,サンゴ礁上の海色を色度理論で再現し,濁度や水 深の違いによる海色の再現を試みた.

Turbid Ocean Color Reproduction on the Coral Reef using Bio-optical Model