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2011年3月11日午後2時46分,宮城県牡鹿半島の東南東 130 km沖を震源地とするマグニチュード9.0の大地震(東 北地方太平洋沖地震)が発生した.この地震に伴い三陸 や仙台湾沿岸に大規模な津波が襲来したのみならず,津 波は福島・茨城県沿岸をも襲い多大な被害をもたらした. 筆者らは,既にこれらの被害状況について取りまとめ, ホームページ上で公開してきた .この報告の中で,津 波の高さは地域により大きく異なるが,いずれの地域 でも海岸線近傍に祭られた神社はわずかな例外を除いて 津波災害を免れたことが明らかになった.各地域では, 人々が世代を重ねつつ長い年月にわたって住みついてき たが,時には大きな津波により家族を失い,また時には 住処や財産を失ったと思われる.そのような何世代にも わたる苦労の記録を末代まで残し,そこへ逃げれば安全 という場所に神社を祭り,子孫が被害に合わないよう知 らしめる役割を担ったのが地域の神社ではなかったかと 推察される.事実,これらの多くの神社は津波の避難場 所として役立った.このことから,津波の被災を免れた 神社に関し,岩手県・宮城県・福島県から各2神社を選 んでとりまとめた.これらのうち,岩手・宮城県での現 地調査は2011年4月18日~20日に,福島県での現地調査 は2011年12月27日に実施した.津波高の測定地点はGPS で定め,その高さは近隣の護岸天端高を基準としてレベ ルにより測定した.その上で,各地域の地盤沈下量を考 慮して補正を行い津波痕跡高に変換した.また, 神社の 標高は地形図に記載されている値を用い, 記載がない場 合は津波高と同様にして測定した.

DAMAGES DUE TO THE 2011 GREAT TSUNAMI AND SHRINES ESCAPED FROM BEING DAMAGED