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昨今,耐震強度偽装やデータ捏造・隠蔽等の事件が頻繁 に報道され,技術者に対する社会的な信用が低下しつつあ ることが指摘されている.土木技術者においても,近年, 技術者倫理の問題が盛んに議論されており,それに伴い, 技術者倫理の普及に向けた様々な取り組みが検討されて いる(土木学会,2004; 土木学会,2006).実際に,土木 学会では,1998 年,土木学会倫理規定制定委員会が設立 され,翌年,我が国で最初に制定された倫理規定「土木技 術者の信条および実践要領」(1938年策定)を改定する形で, 「土木技術者の倫理規定」(以下,単に「倫理規定」と呼 称する)が制定された.そして,この倫理規定を基にして, 倫理教育カリュキュラムの策定 ,関連図書の出版 ,講 習会や研修の実施 ,法制度の改正 ,資格制度の整備 8) 等の取り組みが積極的に実施・検討されている. これら一連の活動は,我が国の土木技術者に対して,倫 理的な行動のための実践的なガイドラインを提示すると ともに,将来の土木技術者の育成に寄与するものであり, その意義は高く評価すべきであると思われる.その一方で, このような取り組みの要となる倫理規定が,「土木技術者 一人一人において,真の倫理性を促進するものであるかど うか」に関する社会科学的な検討,ならびに検証について は,これまでのところ十分に行われてきたとは言い難いも のと考えられる. 以上の問題に関連して,藤井ら は,法律の「解釈可能 性」に着目し,その制定に伴う規範活性化効果について, コールバーグの道徳性発達理論を用いて実証的に検討し ている.ここで,「解釈可能性」とは「物事や言葉の意味 をその人自身の考えで理解する余地」を表しており,この 先行研究において,法律の「解釈可能性」を適切に担保

AN EMPIRICAL STUDY ON CIVIL ENGINEERING ETHICS BASED ON THEORY OF MORAL DEVELOPMENT