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近年,人 口の増 大 とそ の都市への集 中,経 済の高度成 長,生 活水準の高度化 と様式の多様化,そ の他諸々の経 済的 ・社会的変化 を反映 して水需要が急激に増大 し, 将 来にお ける深刻な水 不足が懸念 されてい る。特にこの傾 向の著 しい首都圏 ・阪神都市圏 などでは,従 来の一水系 開発主義に よる解 決が不可能 にな りつつあ る。建 設省の 昭和60年 における水需要 の予測 によれば,京 浜 ・京葉 地域 では,年 間31億 トン とい う膨大 な水不足が, また 京阪神地域においては,年 間19億 トンの水不足が生ず るものと算定 されている0こ れ ら両地域 では,そ れぞれ 利根川 ・淀川 とい う大水 系によって水が供給 されてい る が,そ の水需要はきわめてひっ迫 して いることにな る。 このため,利 根川には新規 にダムなどの施設 を 28 か所 建設 し,布 川地点で利用率 をほぼ限界 の約 62% と設定 している。 また淀川で も23か 所 にダムなどの施設 を建 設 して,枚 方地点で利用率 を開発限度 の約 59% に まで 高めることにしているが,こ れ でもなお水需要 を充足す ることはできない状況にある。 このよ うに水不足の予想 される地方が存在するのに対 して,一 方 では, なお大 き な供給力 が残 されている と考 え られ る地域が 28 地域 も 存在 している。 このよ うに地域に よって水需給 のバ ランスの程度が異 なっているので,水 資源 の有効利用 とい う点か らは, 従 来の常識的 な需給圏 を越 えた水 の融通方法 を考 えてい く ことが重要課題 とな って くる。 このためには複数の水系 を含む広域的 な地域 を対象 としたダム群 と他の利水施設 の計画 を水源開発の方式に とり入れ てい くことが最 も有 効な手段 の一つ にな って くる と思 われ る。 この場合, 各 地域 ごとに個別 にダム を建設 した り,導 水路 を建設 じた りしている と効率的な水源 開発 とその利用 を促進す るこ とができない0し たがって各行政体 は従来の よ うに単独 で利 水計 画を策定 するのではな くて,相 互の間の調整 を はか って総合的 な計画 を作 り上げるこ とが要請 されて く る。 さらに国の立場 か らみて も,個 々では不 可能な計画 の統 一 ・調整 の必要性 がでて くる。この ように利水計画 が広域利 水の方 向に進 む以上,計 画 間の総 合的な調整方 法 と合理化 の提案 が必要にな って くる と考え て よ か ろ う。 もちろんこの ような広域 利水計画 を実施す るた めに は,行 政 的な問題 や住民感情 な どの点でい ろい ろ困難な 点が多 く,今 後 この ような観 点か らの分析 や検討 も必要 であろ う。

STUDY ON A MATHEMATICAL MODEL FOR WATER DISTRIBUTION PLANNING IN THE LARGESCALE WATER RESOURCE DEVELOPMENT