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も、 ドクターヘ リ導入 に関す る動 きは1990年 代 よ り活 発 となるが、種々の制約のため十分 な運 用には至 ってい ないのが現状であ る1),2)。わが国の救急搬送に関す る研 究は、小池 らが、 ドクターヘ リコプターの最適配置に関 する研究や、救急車の走行阻害要因に関する研究を行っ ている3),4)。高山らは、走行時間信頼性の観点からみた 救急拠点の最適配置に関する研究を行っている5)。柏 谷・二神らは、広域救急における救急拠点の最適配置や、 交通事故発生確率を考慮した救急病院の最適配置に関す る研究を行っている6),7)。 本論文は、高速道路の交通事故に着目し、高速道路 会社から得た 「緊急通信処理表」と救急医学の専門家か らの協力により得た 「救急車の活動データ」の分析結果 を用いて、ペトリネットシミュレーション8)を開発する ことで情報伝達のプロセス及び救急車両の動向を視覚化 するとともに、救急活動効率化のための問題点の提示と 解決を目的としている。例えば、近年携帯電話利用者の 割合は増加傾向にあり、普及率はおよそ80%と 言われ ている。同時に、事故発見者が携帯電話で通報する割合 も増加しており、通報の際、高速道路の上下が分からな かったり、事故現場のkp(キ ロポスト)を確認するのに 時間がかかったりと認知 ・指令の手続きに時間がかかっ ているケースが報告されている。さらに、携帯電話不感 問題も救急活動に支障をきたす恐れがある。一方、非常 電話の場合、kp(キロポスト)、上下を通報者が確認しな くても管制室で確認できるため、認知 ・指令の手続きに それほど時間はかからないと考えられる。 本研究と既存研究9)の大きな違いは、既存研究では、 被搬送者の個人情報の保護により、救急車の活動データ の入手は極めて困難であったため、高速道路会社のデー タのみの分析となり、現場での処置完了から搬送病院ま での救急車の走行時間等を分析することができなかった。 また、情報伝達のプロセス及び救急車両の走行経路、出 動消防署等を仮定し分析しているといった課題があった。 そこで本研究では、救急医学の協力によって、救急車の 活動データを入手することができたため、交通事故認知 から搬送病院までの一連の救急活動の時間の分析が可能 となった。また、消防署及び高速道路会社へのヒアリン グにより、既存の研究で仮定されていた部分を明確にし、 より現実的なペトリネットシミュレーションの構築と活 * キーワーズ:高 速道路事故、事故 ・救急事例分析、

Study on Development and Application of the Simulator on the Basis of Emergency Correspondence Case Analysis of the Traffic Accident on a Highway