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歯科補綴臨床上,各 種補綴装置が患者の発声標本に与 える種々の影響 について多数 階8)報告 され てき た が,そ の影響は,し ば しば患者個体 の内的条 件によって声道断 面積の面積関数 に変動を与 える要因9~11)とな っている. この内的条件は音声現象 の物理的記述段階 として,波 形,周 波数 スペ ク トル,調 音の3段 階で論 じられ る12~16) が,歯 科学的領域 としては患者個人の口蓋形態17~22),調 音方法23~32)など生理学的条件 の他に,補 綴装置に対す る 順応 の程度 とい う心理学的条 件33,34)が混在 し,音 声現象 に有 意味 な変化を表 してい る. また,最 近の話者認識 システムの飛躍的 な 発 達 に よ り,近 い将来,補 綴装置による音声の変化 を定常化する 方 向への補綴学的難題に取 り組 まなければ ならない と思 われ る. 今 回,著 者は,補 綴装置による個人音声へ の影響 を追 求 するために,2種 類の実験的補綴装置を用 いて 日本語 5母 音音素についてそれぞれ の影響の度合 か ら起 こ り得 る個人特性について検索 し,各 個人内での音響学的基準 を設定 し,全 口蓋床の適応性 から考慮 した床設計 を可能 にす ることを 目的 として本実験 を行 った. 実 験 方 法 お よ び 装 置

An acoustico-phonetic observation concerning an adaptability to the plate designing based on full palatal plates.