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近年,前 歯部無髄歯 の歯冠補綴法 としてはCast Core 上 に各種の全部被覆冠 を装着するCast Core Typeの 歯 冠補綴法が急速 に応用 されるよ うになって きた. このCast Core Typeは1945年Schmidt1)に よ り推 奨 され て以来,継 続歯 に比較 して歯質 の欠損状態 によっ てはその一部を残すこ とも可能 とな り,そ れに ともな う 強い維持力が期待できることおよび補綴物破 損時 の修 理 が容 易であることや架橋義歯 における各支台歯間 の平行 関係の付与が容 易であることな どの優れた点があ り,臨 床 上高 く評価 されている. しか し,こ のCast Coreに 関す る研究は,主 として製 作法についての報告4~10)であ り,力 学的研究はきわ めて 少ない.こ れは,継 続歯冠補綴法 と理論上,維 持方法が 同一の もの と考 え られている11,12)ためであろう.継 続歯 に関 しては,そ の維持力,あ るいは応力 について数多 く の報告13~21)がされてお り,当 教室において も,村 岡22, 23 ) が各種根面形態 の差異による支台歯に与える応力分布の 解析 および補助維持装置を付与す ることによる力学的効 果 について,ま た中沢 ら24)は合釘尖端部 の形態(角 状, 丸状),長 さおよび太 さの差 異による支台歯への 影 響 に ついて二次元光弾性実験によって報告 している.さ らに 村 岡25)は,よ り臨床条件を配慮 した立体模型 を製 作 し, 三次元光弾性実験 で各種根面形態 の差異による支台歯へ の影響 について報告 し,継 続歯の根面お よび合釘形態 を 選択する際の基準を示唆 した. 一方 ,Cast Core Typeに よる歯冠補綴法 は歯冠部歯 質の残存程度 によってCast Coreの 形状が異なるので, その残存歯質が支台歯 にどの ような影響 を及ぼす かにつ いて検討することは臨床上重要なことである.し かしこ れ に関する研究報告 は,横 山26)の二次元光弾性実験によ る報告があるのみであ り,こ の二 次元実験 では平面的な 解析であるために,そ の ものを直ちに臨床 的に評価する ことは適当ではな く,三 次元光弾性実験による応力の解 析が望まれる. そ こで著者 は,歯 冠部残存歯質 の取 り扱いについて一 指針を得ることを 目的 として,横 山26)の行った二次元光 弾性実験 を発展 させ,そ の実験結果か ら,三 次元光弾性 実験法によって歯冠補綴物が残存 さ せ た 歯 質 にCast Coreを 介 していかなる影響を与えるかについて力 学 的 に解析,検 討 を行った.

A Dynamic Study on the Cast Core used in the Anterior Teeth