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顎 関節症 の原因ない し誘 因には,種 々の因子 が挙げ ら れ てお り,発 生機序に関 してもまだ定説はな く,診 断, 治療法 も確立 されていない.し かし,過 去の研究 を総括 す ると,筋 の異常 と咬合の異常 とがか らみ合い,こ れに 精 神的肉体的要素 が加わつて,本 症 が発症する とい う考 えが主流 のよ うである.顎 口腔系 は一つ のユニ ッ トであ るがために,咬 合 の異常 と筋 の異常 との因果 関係は,ど ち らが主で,ど ち らが従であ るかの決定 は困難 である. また,精 神 的肉体的要素の顎 口腔系 に及 ぼす影響 も無視 で きない.し か し,一 見,咬 合状態 が正常に見える患者 で も,精 査すれ ば,ほ とん どの場合,咬 合異常が存在 し て お り,本 疾患 の原因 として,咬 合異常 の占める比重は か な り大きい.こ のことは咬合異常 を修正す るこ とによ り,本 症が時間の長短 の差 こそ あれ,改 善 された1,2)こ とによ り実証され てい る.本 症 の原因 ない し発生機序 に 瀾 しては,下 顎運動 の面か ら3,4),あるい は歯牙接触 関係 の面 か ら2),ま たEMG的 な面か ら5~8)等追 究 されて は い るが,今 だに不 明な点が多 く,本 症 と咬合 との関係 を 明確 にす るには,こ れ ら個々の面 か らのさらに詳細 な分 析 と共に,総 合的分析が必要 と思 われ る. 我々は,補 綴学的立場か ら本症 を追究 しているが,特 に咬合異常 と本症 との関係 を明確にす べ く,Denar In. strumemt装 着模型上での上下顎歯牙接触関係 の分析, Denar Pamtographを 改良 した 口外描記法による下顎運 動の分析,筋 電 図による咀嚼筋活動の分析,顎 関節X線 写真による顆頭位 の分析,精 神的分析等 を行い,本 症の 診断 と治療 に応用 してい る.今 回は,上 記の うち,上 下 顎歯牙接触 関係の分析結果について報告す る.

Studies on the Occlusal Contacts in Dentition of the Patients with Temporomandibular Joint Dysfunction Syndrome