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そもそも審美とは何を基準に判定されるのだろうか. Annibali らの報告によると,審美部位におけるインプ ラント治療の審美評価方法として最も多く引用されてい るのは Jemt の Papilla Index である.これは歯間乳 頭の存在のみを 5 つのスコアに分類したのもので,補 綴装置に関しては触れられていない.次に多く引用さ れている Belser らによる Pink Esthetic Score(PES) と White Esthetic Score(WES)では,インプラント 周囲軟組織と補綴装置について各々 5 項目について 3 段階で評価している.また Meijer による Implant Crown Esthetic Index ではインプラント周囲軟組織に ついて 4 項目を,補綴装置の審美性について 5 項目を それぞれ 6 段階に分けて評価している.これらをまと めると,インプラント治療における審美性とは,歯間乳 頭と歯頚ラインを主としたインプラント周囲軟組織と, 技工士の技術に依存する補綴装置の完成度が重要である ことがわかる.さらに,Machado らの報告にあるよう に,天然歯との調和においてはその対称性がなによりも 重要で,客観的に見た際の違和感の最大の原因となるこ とが知られている. これらを踏まえ,ブラックトライアングルの存在しな い歯間乳頭と左右対称な歯頚ラインを獲得するために, 治療計画立案時・外科手術時・補綴修復時に分けて綿密 な治療戦略を立てなければならない.

Optimal Strategy for Single and/or Multiple Implant Restoration in Esthetic Region