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インプラント治療において最終上部構造のデザ インや形態,使用する材料を考慮して行う補綴主 導インプラント治療(Restorative-Driven Implant Treatment)を行うことは,現在のインプラント治療 において周知の事実である.治療の最終ゴールがイ ンプラント上部構造の装着時における機能と審美性の 獲得であるならば,十分な量の硬軟組織に対して通法 に従った適切なインプラント治療を行うことによって 審美性を回復することができると思われる.しかしな がら,長期的な予知性のある審美性の結果と維持を ゴールとするならば,計画する外科処置や上部構造設 計の細部に配慮しなければならない.なぜならば, 上部構造の装着時では機能的,審美的な結果が得られ ていたとしても,短期間に上部構造の破損や脱離等の トラブルが見られ審美性に影響を与えることが報告さ れている.それらの問題は,審美性の獲得に関する 多くの報告,インプラント周囲硬・軟組織の獲得法や インプラント体埋入時期や方法に関する内容が多くを 占めており,実際の歯牙欠損になった原因や治療計画 全体を網羅したものではないことが考えられる.さら に,上部構造の設計では材料に関する理工学的な観点 からの報告が多く見られ,審美性を獲得するための材 料選択の基準となっているがそれらの材料をどのよう な形態で設計するのかを検討した報告は少ない.これ らの報告が重要であることは当然のことだが,近年の インプラント治療の発展と上部構造製作におけるテク ノロジーの進歩から考えると十分に議論されていると は言い難い.安定した審美性を獲得するためには,ア バットメントのデザイン,特に歯肉貫通部の形状や表 面性状,セメント固定式上部構造のマージン設定に配 慮する必要がある.そのためには,これまでの報告を 整理して上部構造設計を現在主流とされている CAD/ CAM インプラント技工やインプラント体とアバット メントの接合様式を踏まえた上部構造設計が必要と なってくる.

Design of the implant superstructure in consideration of esthetics