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1 はじめに 近年の半導体デバイスの進展はめざましいものがあり、これらの半導体 デバイスを支える、熱励起プロセス、プラズマプロセスなどの従来型プロ セスは非常に進んできている。しかし、次世代の超高集積回路におけるデ バイス性能の飛躍的向上、あるいは新機能材料の創製などのプロセスとし ては、現在のプロセスが抱える高温処理、プラズマによる高損傷といった 欠点を克服する全く新しいプロセスの開発が必要とされている。そのよう なプロセスの一つとして光励起プロセスが注目されている。 1eVの エネルギーは、光量子では約1.24mmの 波長の赤外線に相当す るが、熱エネルギーとしては約11,600Kに 相当する。つまり、光励起を 利用 した化学反応では、従来考えられなかったような高温を必要とする反 応を励起することができ、さらに特定の波長を選ぶことにより反応の選択 性を与えるという大きな特徴がある。特に、励起光として放射光を用いた SR励 起プロセスでは内殻電子励起による高励起状態、短波長高指向性に よる微細なパターニング等、上記の次世代半導体プロセスとして大きな期 待がかかっている。 SiO2膜 の光エッチング反応は次世代半導体プロセスへの応用上の期待 と表面反応素過程への興味から国内外の多くの半導体研究機関において精 力的に進められている1-3)。特に、プラズマプロセスで問題となる高エネ ルギーイオン等によるデバイス損傷がなく、超微細加工技術の一つとして 重要であると考えられる。さらに、酸素および窒素雰囲気中でSiを酸化 ・ 窒化 しての薄膜の低温成長も興味ある。 本研究において我々は、SPring-8BL27SUに 軟X線CVD実 験ステー ションの設置調整を行 うとともに、BL27SUのFigure-8ア ンジュレータ からの放射光(0.5-5.0keV)を もちいたSiO2膜 の軟X線 励起エッチン グおよびSiの 酸化 ・窒化反応を検討した。

SiO<SUB>2</SUB> Etching and Formation of Si Oxide and Nitride Induced by Soft X-ray from SPring-8 Undulator