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高分子材料は、非常にかたくてもろいガラス状態のもの から、引張り破断伸びが 10~500%もあり延性を示す繊維 やフィルム、さらに数百%の伸長と回復というゴム弾性を 示すエラストマーまでさまざまであり、その多様性は、分 子鎖の一次構造はもとより、分子鎖の高次構造(凝集状態) や分子鎖の熱運動状態の多様性に基づいている。高分子固 体の物性を考えるとき、金属材料とは異なった大きな特徴 は、応力-歪曲線やその他の力学的性質が、試料の温度と 測定の速度に依存して著しく変化することであり、これは、 高分子が粘弾性を持っているためである。高分子材料は一 般に固体であるから、程度の差はあれ弾性をもつことは理 解できるが、さらに粘性をもつと考えなければ説明できな い。この性質を説明するのが粘弾性である。この粘弾性を 動的変形の周波数の関数あるいは温度の関数として評価す ることにより、高分子の階層的な分子運動を明らかにする ことができ、さらに高分子の高次構造に関する知見まで得 ることが出来る。本稿では高分子固体を中心にその線形領 域における動的粘弾性の測定法と測定例について解説する。

Dynamic Viscoelastic Properties From Bulk to Surface of Polymeric Solids