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Excellent antibacterial properties and self cleaning performance have been reported for rayon fibers containing titanium oxide silica complex photocatalyst. However, when these fibers are dyed, photocatalysis may also decompose the dye. In this study, a direct dye and a reactive dye were used to dye these fibers in order to examine the dye fading of the dyed these fibers. First, the dyed these fibers were subjected to UV irradiation in air. Neither the direct dye nor the reactive dye faded at all and the color hue of the dyed these fibers was very stable to ultraviolet light. Subsequently, the dyed these fibers were subjected to UV irradiation in water. Although both dyes were found to fade, the direct dye faded more readily than the reactive dye. The difference was more pronounced when these fibers were dyed in light colors. The difference was believed to show up because cellulose molecules making up rayon fibers bond with direct dye molecules through hydrogen bonds whereas cellulose molecules bond with reactive dye molecules through covalent bonds. Finally, to examine the photocatalytic function of the dyed rayon fibers containing titanium oxide silica complex photocatalyst, the dyed these fibers were subjected to UV irradiation while immersed in an methylene blue aqueous solution. Methylene blue underwent dye decomposition, showing that the dyed these fibers maintained an adequate photocatalytic function. (Received 23 June, 2008 ; Accepted 27 March, 2008) 島根大学教育学部 高橋哲也 九州大学バイオアーキテクチャーセンター 笠井稚子・近藤哲男 Dye Fading of Dyed Rayon Fibers Containing Titanium Oxide-silica Complex Photocatalyst Tetsuya Takahashi, Wakako Kasai, and Tetsuo Kondo 一般報文 染色した光触媒酸化チタン-シリカ複合体添加レーヨン繊維の退色性 176 SEN’I GAKKAISHI (報文)Vol.65, No. 7 (2009) (60) のアナターゼ型光触媒酸化チタン-シリカ複合体 F4S05 (昭和タイタニウム製ジュピター S)を用いた. 2.1.3 染料 i)直接染料 直接染料は水溶性アニオン染料の中で分子量が比較的 大きく,セルロース繊維に対して親和性がある.本実験 では,連続アゾ系ポリアゾ系直接染料である C. I. Direct Red 81(住化ケムテックス製 Sumilight Red 4B,純度 55%) を用いた.図 1にその構造式を示す. ii)反応染料 反応染料は,セルロース繊維やポリアミド繊維などの 繊維中の官能基と化学反応して共有結合によって染着す る.本実験では,ビニルスルホン系反応染料である C. I. Reactive Red 22 (住化ケムテックス製 Sumifix Red B,純度 80%)を用いた.図 1にその構造式を示す. 2.2 レーヨン繊維の成形 2.2.1 ビスコースの調整 原料パルプを 18%の水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し, 圧搾・粉砕によりアルカリセルロースを得た.これを老 成した後,二硫化炭素を反応させてセルロースザンテー トを得た.次いで,希釈水酸化ナトリウム水溶液で溶解 し,ビスコースを調整した.紡糸には,セルロース濃度 9wt%,アルカリ濃度 5%,ビスコース粘度 47~55sec,γ価 38~44に調整したビスコース原液を使用した.なお, ビスコース粘度は,金属ベアリング(3.175mm直径,0.13g 重さ)が 20°Cのビスコース原液 20cmの距離を落球する秒 数で表記した.また,γ-価は,グルコースユニット 100個 当たりの結合ザンテート基数で示した.なお,原料パル プには針葉樹晒しクラフトパルプを用いた. 2.2.2 酸化チタンの混合方法 蒸留水に酸化チタン-シリカ複合体の粉末を 15wt%添加 して水分散液を作製し,小型ミキサーで 1分間撹拌した. その後,所定量の水分散液をビスコースに添加して,再 び撹拌を 30分間行った後,容器を密閉し減圧処理 2~3 時間行って,混合液中に含まれた気泡を除去した. 2.2.3 湿式紡糸工程 湿式紡糸装置を用いて,ビスコース法によるレーヨン 繊維を作製した.ノズルより紡出したビスコース原液を 第 1浴で再生し,約 1mを走行して第 1ロール(ロールの 表面速度 29m/min)に巻取り,さらに第 2浴を約 4m走行 した後,最終巻取りロール(表面速度 45m/min)にてトウ を巻取った.つまり,延伸倍率を 55%に設定した.なお, ノズルとしては,口径 0.06mm,穴数 300のものを用いた. 第 1浴,第 2浴は,下記のように調整した. 第 1浴:硫酸 100g/l,硫酸亜鉛 12g/l,硫酸ナトリウム 340g/lに調整した水溶液.47°C,比重 1.31 第 2浴 : 硫酸 15g/l,95°C 2.2.4 精練及び乾燥工程 紡糸工程で得られたトウを大量の 90°C熱湯に投入し (浴比 1 : 100),30秒程度撹拌してセルロースの再生を完 全に終え,繊維を絞り脱液した.次に,0.5g/lの水酸化ナ トリウム水溶液(70°C)に繊維を投入し(浴比 1 : 100),時々 撹拌して繊維中の硫黄成分を硫化ソーダの形に変えて溶 出させた.そして,70°Cの湯で洗浄し脱液した.次亜塩 素酸ナトリウムの 0.5g/l水溶液を 20°Cに調整して繊維を 投入し(浴比 1 : 100),時々撹拌して繊維を漂白した.そ の後水洗した.次いで 0.1%硫酸液で処理し,繊維に残る 塩素を除去した.水洗後,10g/lの油剤(40°C)に繊維を投 入し(浴比 1 : 100),遠心脱水した.最後に,95°Cの熱風 乾燥処理にて繊維を乾燥させた. 2.3 染色方法 2.3.1 直接染料による染色 表 1に示す割合で,蒸留水,染料,無水芒硝を混合し て染色液を作製した.その染色液を徐々に加熱し,染色 液が 60°Cになったところで浴比 1 : 30になるようにワタ 状の繊維 3.3gを同時に投入した.その後,色むらができ ないように撹拌しながら煮沸するまでさらに加熱し,染 色液を繊維によく染み込ませた.30分間継続して煮沸し, 繊維に染料をなじませた後,脱液して染着を完了した. さらに,湯洗(60°C)後,水洗し,脱液して洗浄を行った. 85°Cの定温乾燥器にて繊維を乾燥させた. 2.3.2 反応染料による染色 表 1に示す割合で,蒸留水,染料,無水芒硝を混合し て染色液を作製した.ヤマト科学株式会社製定温器 Constant Temperature Water Bath BK33を用いて染色液を加 熱し,染色液が 30°Cになったところで浴比 1 : 30になる ようにワタ状の繊維 3.3gを同時に投入した.その後,色 むらができないように撹拌しながらさらに加熱して繊維 に染色液をよく染み込ませ,45°Cになったところで,表 1に示す割合で炭酸ナトリウムを加えた.炭酸ナトリウム が完全に溶けるまで撹拌しながら約 15分間保持し,60°C になるまでさらに加熱した.染色液が 60°Cになってから 30分間保持し,脱液して染着を完了した.さらに,水洗 後,湯洗(40°C)し,蒸留水,2g/lのソーピング剤を混合し た浴中にて 20分間洗浄後,脱液し,水洗した.そして, 85°Cの定温乾燥器にて繊維を乾燥させた. 2.4 退色性の評価方法 東京硝子機器株式会社製テンパックスのガラスセル (5×10×45mm)の中に,ワタ状の繊維 0.05gをセル内部に Fig. 1 Molecular structure of Dyes. (61) SEN’I GAKKAISHI (報文)Vol.65, No. 7 (2009) 177 均一になるように 5回に分けて挿入した.また,水中に て紫外線照射する場合には,繊維,蒸留水を 5回に分け て交互に入れ,セル上部まで達するようにした[6].そし て,パラフィルムで二重に密栓した.なお,繊維の挿入 量をセル容量あたりに換算すると 0.022g/cmとなる.ま た,ガラスセルに使用されているガラスの透過率を測定 したところ,波長 365nmでは 92.3%,波長 310nmでは 85.1%であった. この繊維に,所定距離で横方向から,東芝製ブラック ライト FL20S-BLB(20W×2本)を用いて紫外線を 6時間 照射した.そして,紫外線照射中の繊維の色相変化を調 べるため,紫外線照射前,照射 1時間後,照射 3時間後, 照射 6時間後の計 4回の写真撮影を行った[6].6時間の 紫外線照射修了後,暗所で 24時間放置した.ブラックラ イトとセルまでの距離は 50mmとし,セルの背部 50mm のところにミラーを設置して試料の裏表に紫外線が照射 されるように工夫した.その際,ブラックライトから距 離 50mmでのガラスセルを通しての紫外線強度を測定し たところ,波長 365nmでは 0.8μW/cm,波長 310nm では 4.5μW/cmであった.また,照度は 12,600 luxであった. 2.5 測定方法 2.5.1 紫外線強度と照度 米国ウルトラバイオレット社製・デジタル式紫外線強 度計 UVX型を用いて,測定波長 365nm(UV-A),310nm (UV-B)における紫外線強度を測定した.また,タスコジャ パン株式会社製 TMS870デジタル照度計を用いて照度を 測定した. 2.5.2 分光光度計 消光 24時間後にセル中のワタ状の繊維を取り出し,島 津製作所製分光光度計 UV-3100を用いて採取した繊維の 反射率を測定した.また,水溶液に浸漬したものについ ては,セル中の繊維を取り出した後に脱液し,同様に島 津製作所製・分光光度計 UV-3100を用いて採取した繊維 の反射率と水溶液の透過率を測定した.なお,セルより 取り出した繊維は,すすぎをせずにそのまま測定に用い た. 2.5.3 写真撮影 水平な台の上に,光の吸収スペクトルに従って試料を 並べた.色相の変化を明確にするために,National製写真 撮影用ライト PRF-100V 500WBを用いて左右の上部から 光を当て,PENTAX製カメラ FAマクロ 50を用いて所定 距離から撮影を行った.

Dye Degradation Effect of Rayon Fibers Containing Titanium Oxide Photocatalyst