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2016 年 11 月 2 日~4 日の日程で鉄道・自動車・航空・船 舶の電気技術に関する国際会議 ESARS ITEC 2016 がフラン スのトゥールーズにて開催された。前身の RTS(Railway Traction System)から数えて,15 年間で 6 回目の開催となる。 5 件の基調講演,7 件のワークショップ,9 件のレギュラー セッション,10 件のスペシャルセッション,ポスターセッ ションから構成された。事前登録による参加者は 191 人で, 参加国別に見ると表1の通りであり,開催国フランスをはじ めとして,ヨーロッパ各国からの参加が多かった。 フルペーパーによる査読が行われ,投稿件数 177 件に対し て,採択件数 124 件で採択率は 70%である。初稿の投稿期限 が 7 月であり,最終稿の登録期限が 10 月であったことを考 えると,タイムリーな投稿が可能である。査読プロセスがあ るものの,電気学会で言えば,研究会に近い感覚で最新の成 果を投稿できるのが1つの利点であると思われる。その一方 で,今回は査読体制が充実してきており,論文の質の向上の 取り組みが感じられた。また,IEEE の PELS,IAS,PES の 後援を受けており,投稿論文は IEEE Xplore に登録され,さ らに,上位の論文は IEEE Transaction の査読に推薦される。 筆者は,鉄道に関するセッションを中心に参加した。その 中では,鉄道・自動車・航空・船舶の各分野における蓄エネ をはじめとする省エネ技術が話題の中心となっているよう に感じられた。 5 件の基調講演の概要を以下に紹介する。1 件目は,ワイ ドギャップ半導体の交通分野への適用として,鉄道・自動 車・航空・船舶の各分野への適用事例が紹介されていた。2 件目は,フランスの高速鉄道 TGV の技術変遷と今後の展望 として,初代 TGV から,次世代の AGV までの 4 世代に渡る 車両の技術が紹介されていた。3 件目は,交通分野への蓄電 媒体の適用として,蓄電媒体の得失を示した上で,各分野へ の適用事例が紹介されていた。4 件目は,低燃費の自動車技 術として,マイルドハイブリッド技術の開発やクラウド技術 を活用した省エネ運転などが紹介されていた。5 件目は,大 型旅客機への省エネ技術として,ハイブリッド推進や電気推 進のための超伝導電気機器や大容量電力変換器の開発が紹 介されていた(図 1)。 ウエルカムレセプションは,1760 年に完成した市庁舎キャ ピトルにて開催され,壁画・天井画に囲まれた大広間でのレ セプションとなり,トゥールーズの歴史を感じさせるもので あった(図 2)。また,バンケットも,現地ならではの食材に より盛大に開催された。 最終日には,テクニカルビジットが開催された(図 3)。 トゥールーズはエアバス社の本社と工場が置かれ,ヨーロッ パの航空産業の中心地にもなっている。筆者が参加したエア バスの工場見学のテクニカルビジットでは,オール2階建て の旅客機エアバス A380 のアセンブリ工程を見学した。フラ ンス,ドイツ,スペイン,イギリスなどのヨーロッパ各国に て製造された機体が,ここトゥールーズにて最終組み立てさ れているとのことである。 次回は,2018 年 11 月 7 日~9 日の日程で,イギリスのノッ ティンガムにて開催される予定である。

denki gakkai rombunshi. d, sangyō ōyō bumonshi/denki gakkai rombunshi. d, sangyou ouyou bumonshi

Conference Report: Joint Edition of the International Conference on Electrical Systems for Aircraft, Railway, Ship Propulsion and Road Vehicles and the International Transportation Electrification Conference (ESARS ITEC 2016), November 2-4, 2016, Toulouse, France