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1. は じめに ガス絶縁機器への適用を目指 して,SF6ガ スを含む各種 混合ガス絶縁に関する研究が活発に行われてきた。例えば, SF6/CCl2F2混 合ガズにおいて,あ る混合比で混合前の各 単独ガスの絶縁耐力よりも混合ガスのそれが高 くなるとい う興味ある結果がある(1)(2)。 ,混 合ガスの平等電界中における絶縁破壊電圧の シナジズム特性を決定する要因は,混 合ガスのスオームパ ラメータであ り,と りわけ混合ガスの実効電離係数の値を 決定するのは混合する気体の電離断面積や付着断面積など を含めた衝突断面積である(3)。 平等電界下の混合ガス中 における絶縁破壊電圧のシナジズム特性について,宅 間氏 らが検討 し,そ の絶縁破壊特性を与える有用な実験式を提 案 した(4)。 しかし,不 平等電界下ではコロナを経由して 絶縁破壊に至るため,平 等電界よりも一層解析が困難であ る。従って,不 平等電界における絶縁破壊電圧のシナジズ ム特性には,コ ロナ安定化作用が含まれる。これらに関し ては,渡 辺氏 らの報告がある(5)。 しかし,微 小ギャップ を含な混合ガス中の沿面放電におけるフラッシオーバ電圧 の混合比依存性については,来 だ不明な点が多い。 筆者らも絶縁耐力の向上とその信頼性を高めるために, SF6ガ スを含む各種混合ガスの絶縁特性の研究に加えて, ガスと固体絶縁物から構成された複合絶縁特性に関する研 究を行ってきた(6)-(8)。 最近,SF6ガ スが温室効果ガス として注目され(9),今 後環境問題も含めた電力機器絶縁 方式の再検討も必要になると思われる。このような背景の 中で,不 平等電界下にあるSF6ガ スを含な各種混合ガスと 固体絶縁物を組み合わせた種々の絶縁方式について,そ の 絶縁特性を把握することは,今 後更に低電圧領域にまで広 がるC-GIS等 の絶縁の信頼性向上に役立つと考える。 本研究ではN2/SF6混 合ガス中において,針-平 板電極 問にバリアを挿入 した場合の複合絶縁構成について,単 一 のパルス電圧を印加 し,そ の波頭部で生 じる沿面放電特性 を調べた。混合ガス中において,ガ ス圧,パ ルス電圧の波 頭長およびバリアの挿入位置によって,フ ラッシオーバ電 圧-混 合比特性に顕著な極性効果が見い出された。そこで, それ らのガス中で測定した高速ディジタルフレーミングカ メラによる沿面コロナの特性を含めて,フ ラッシオーバ電 圧-混 合比特性を検討した。

Creeping Flashover Characteristics in (N<sub>2</sub>/SF<sub>6</sub>)Gas Mixture under Pulse Voltage