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互いに直交した導体板からなり,広 い入射角にわたり大 きなレーダ断面積(RCS)を 有するコーナリフレクタは, 追尾レーダに対する標的やラジオビーコン等に利用される. これらコーナ リフレクタのRCSの 最大値 σmaxは,見 か け上の面積を有効面積 として容易に求めることができる(1). しかし,実 際の利用では,例 えば,海 面に浮かべたリフレ クタを観測するような場合(2),波 浪の影響によりRCSが 変化することを加味 しなければならず,RCSの 入射角度 特性や入射偏波角特性が問題 となる. コーナリフレクタのRCSに ついては,い くつかの報告 があり入射角度特性について理論的,実 験的に検討がされ ているが(3)-(11),こ れらの多くは2面 のリフレクタを対 象としており,RCSの 観測点は水平面内の2次 元的な移 動を扱ったものがほとんどである.一 部,3面 のリフレク タを扱ったものとしては1995年,Michelsonら が3角 形コー ナリフレクタに導体フ ィンを装荷 し,偏 波角特性の考察を 行った報告があるが(11),こ れは実験値を中心に検討され ており,理 論値には3回 反射のみが考慮されているにすぎ ない. 著者は,こ れまでに最も基本的な形状である2面 コーナ リフレクタのRCSに ついて,入 射角度特性及び偏波角特 性の検討を行い,斜 め偏波の場合にRCSが 急減すること を確認 した(3).こ こでは,2面 コーナリフレクタの延長上 にあ り,よ り広 く利用される3面 コーナリフレクタを対象 としてそのRCSを 求め,3次 元の入射角度特性及び偏波 角特性を考察 した.実 際に利用されるコーナリフレクタの 寸法がレーダの使用波長に比較して充分大きいことを考慮 に入れ,物 理光学法を適用 してRCSを 導出 した. RCSは リフレクタ面上の1回 反射,2回 反射,3回 反 射を考慮し,こ れらの合成として算出 した.こ のため,合 成されたRCSだ けでなく,各 反射の成分についても同様 に考察を行った. RCSの 入射角度特性について実験により理論値との比 較を行い,ほ ぼ一致することから物理光学法を用いた本解 析の3面 コーナ リフレクタへの適用が妥当であることを示 した.

RCS Analysis of Trihedral Corner Reflectors by Using Physical Optics Method