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2004年に肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓 塞栓症)予防ガイドライン が発刊されて以降,弾性 ストッキングや間欠的空気圧迫法などの理学的予防法 の浸透に伴い,本邦での周術期における肺血栓塞栓症 (pulmonary thromboembolism,以下PTE)の発生 頻度は減少した .また,ガイドライン上ではリスク 因子をもとに各々の施設に合わせた対策を講じるよう 推奨されており ,施設ごとまたは診療科で独立して リスク分類や対策を行うようになってきている.当院 では2005年の開院以来,各科ごとに独立してPTE予 防 を 行 っ て い た が,ACCP(American College of Chest Physician)静脈血栓塞栓症の予防ガイドライ ン第8版 を受けて 2009年11月より外科系診療科共 通のPTE対策の運用を開始した(図─1,2) .ガイド ラインに掲載されているリスク因子を重症度に合わせ てそれぞれ点数化し,電子カルテのテンプレート上に 点数ごとに並べてリスク一覧を作成した.ここで相当 するリスク因子をチェックすると合計点によって低リ スク群から最高リスク群まで合計4群に分類され,各 群に相当する予防対策が表示されるというシステムで ある.この中で最高リスク群に分類された症例に対し てはスクリーニングとして全例にDダイマー測定と 下肢静脈超音波検査(lower extremity venous ultrasonography,以下LEVUS)を施行し,血栓陽性例に ついては,その大きさや局在について循環器内科医師 と検討し,血栓溶解療法や下大静脈フィルター挿入等 の処置を行っている.血栓陰性例は高リスク群とし て,術前からの抗凝固療法やフットポンプ装着等の予 防策を行っている.一般的に下肢深部静脈血栓症 (deep venous thrombosis,以下DVT)の5~8割が 遠位DVT(前・後脛骨静脈,腓骨静脈,ヒラメ筋静脈) である とされ,さらに遠位DVTの50% がヒラメ 筋群に発症する とされているが,静脈弁ポケット部 分においても血栓形成をきたしやすいとされてお り ,今回はLEVUSによるDVT検出率ならびに血栓 付着部位について検討し,その臨床的意義について考 察したので報告する.

METHOD FOR DETECTING DEEP VENOUS THROMBOSIS AT VENOUS VALVE POCKET FOR PROPHYLAXIS OF PERIOPERATIVE PULMONARY THROMBOEMBOLISM