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2 医用画像をもとにしたヤング率の設定 X 線CT 画像から骨体の有限要素モデルを生成する手 法については、これまでにいくつかの研究報告が行われ ている。しかし、各要素に与えるべきヤング率の設定方 法については十分な検討が行われていないようである。 筆者らは、有限要素のヤング率を自動的に割り当てる ために、Carter らが示した骨密度とヤング率との実験的 な関係式 1) を利用している。骨密度は CT 値に比例関係 があるので、実験式が与えられれば有限要素のヤング率 は自動的に設定することが可能となる。しかし、医療現 場で得られる画像情報を使用する場合、ヤング率の設定 に関して問題となる点が二つある。 一つは、CT 撮影時に生じる部分体積効果(Partial Volume E®ect)と呼ばれる現象である。これは、物体 の境界面がスライス画像の面と直角に近い部分では画素 データが適切に与えられるが、傾斜している部分では画 素データが分散してしまう現象である (Fig.1 参照)。骨体 の画像データでは境界が緻密骨と軟組織であるため、斜 面の部分ではこの効果が大きく現れるので、応力解析結 果にも無視できなくなると予想される。 もう一つは、撮影時のスライス画像の間隔である。臨 床で用いられる画像は 0:35mm=pixel 程度の解像度があ るが、スライス間隔は患者への被爆量や時間的負担を考 慮して2~5mm 程度と画像解像度に比して大きい。その ため、個体別モデリングの際にはスライス画像間はデー タ補間を行う必要があり、筆者らは Fig.2 に示すような 線形的な補間を採用している。 しかし、この方法では物体形状が斜めの部分では画像 があいまいになるため、ヤング率の設定にも大きく影響 すると予想される。

116 Individual Finite Element Model Based on the X-ray CT Data : Estimation of Young's Modulus of the Bone