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アマンタジンは,国内では 1998 年 11 月にA 型インフルエンザに対する効能・効果が追加さ れ,A型インフルエンザの予防・治療薬として処 方量が急増している.A型インフルエンザウイル スはアマンタジンに対する耐性を獲得しやすく, 耐性株の出現,流行が懸念されるが,国内調査は 少ない.そこで,静岡県内で分離された流行ウ イルス株についてアマンタジンに対する薬剤耐性 獲得の有無を調べた. 材料と方法 1.供試ウイルス株 1999 年 10 月~2000 年 3 月に静岡県内の感染症 発生動向調査の定点医療機関を受診した散発患 者,及び学校集団かぜ患者から得られた咽頭ぬぐ い液またはうがい液を検体として,MDCK細胞に より分離された 70 株のうち,試験可能であった 62 株{Aソ連(H1N1)型 29 株,A香港(H3N2) 型 33 株}を供試した. 2.アマンタジン耐性株の検出 96 ウェルプレートに単層培養したMDCK細胞 に塩酸アマンタジン 4μg ml 添加あるいは無添加 の維持培地 50μl を加え,-80°Cで保存された分 離株の原液~10 希釈液 50μl をそれぞれに接種 し,35°Cで 1週間培養して細胞変性効果(CPE)お よびHA活性を比較した.塩酸アマンタジン添加 により,TCID50 の減少が 10 以内の株はプラッ ク純化したウイルスについて再試験を行った.耐 性株と判定した株は,RNA抽出後,RT-PCRでM 2蛋白質コード領域を増幅した後,PCR産物をダ イレクトシークエンスして塩基配列を決定し,M 2蛋白質のアミノ酸配列を推定した. 結果と考察 供試した 62 株中 2株(3.2%)がアマンタジン耐 性株と判定された.流行株に存在する耐性株の出 現頻度は,43 カ国からの分離ウイルスの調査によ ると 2,017 株中 16 株(0.8%)と報告されており, 今回の結果は比較的高い出現頻度と思われる. M2蛋白質膜通過部位のアミノ酸解析では,1 株は 26 番目がロイシンからフェニルアラニンに, 他の 1株は 30 番目がアラニンからトレオニンに 変異していた.耐性株のM2蛋白質のアミノ酸変 異箇所は 5箇所(26,27,30,31 または 34 番目)が 報告されているが,国内の調査では 27,30 およ び 31 番目変異の存在が明らかにされている. 静岡県におけるアマンタジン耐性A型

Incidence of Amantadine-resistant Influenza A Virus Isolated in 1999/2000 Epidemic Season in Shizuoka Prefecture