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ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬が原因と考えられた腸管浮腫の1例(A case of bowel angioedema associated with dihydropyridine calcium channel blocker use)
Author(s) -
Koki Shoda 正田 光希,
Tadahiko Seki 關 匡彦,
Go Inoue 井上 剛,
Yasumitsu Nomura 野村 泰充,
Noritomo Okamoto 岡本 倫朋,
Shirou Ueda 植田 史朗,
Takeshi Matsuyama 松山 武
Publication year - 2020
Publication title -
nihon kyukyu igakukai zasshi: journal of japanese association for acute medicine
Language(s) - Uncategorized
Resource type - Journals
ISSN - 1883-3772
DOI - 10.1002/jja2.12462
Subject(s) - medicine , dihydropyridine , calcium channel blocker , angioedema , calcium channel , anesthesia , calcium
要旨 症例は41歳の女性。急性腎障害溢水による呼吸不全にて当救命救急センターに入院となった。第3病日より高血圧に対してジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬であるニフェジピンの経口投与を開始し第7病日より同じくジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬のシルニジピンを併用した。第15病日に下腹部痛を自覚し第29病日に嘔吐右下腹部痛が出現し単純CT検査にて終末回腸壁の肥厚と腸間膜脂肪織濃度の上昇腹水を認めた。下部内視鏡検査や病理検査でも特異的な所見は認めなかった。その後も腹痛の改善なくCT検査では腸管浮腫は十二指腸から結腸まで拡がり腹水も多量に出現した。経過から薬剤性を疑い唯一継続していたニフェジピンとシルニジピンを第49病日に中止したところ翌日には腹痛は改善しCT検査でも腸管浮腫の改善腹水の減少を認めた。2剤の休薬後11日目となる第60病日のCT検査では腸管浮腫と腹水はほぼ消失しており腸管浮腫の原因としてジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬が原因と考えられた。カルシウム拮抗薬が原因と考えられた腸管浮腫の報告は我々の渉猟しえた限りでは本邦ではなく海外でも数件が報告されているにすぎない。今回我々は非常に稀なジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬が原因と考えられた腸管浮腫の1例を経験したので文献的考察を加え報告する。