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近年,空 港や可動堰お よび原子力発 電所 な どの建 設に 関す る事業計画 に対 して,住 民投 票条例 制定 を請求する ための署名運動が全国各地 において行われてい る.し か しなが ら,住 民投 票条例 案は議 会において否 決されるこ とも多 く,解 職請求運動 にまで発展 する場合 もある.こ の ように,現 在,開 発計画中である多 くの事業に対 して, 住民の意思 を反映する ことが望 まれている.ま た,阪 神 ・ 淡路大震災の被災地 においては,行 政 主導型 である土地 区画整理事業 などの復 興計画 に対 して住民が反発 し,ま ちづ くり協 議会な どによる住 民主導型 のまちづ くりが行 われてい る.こ れ らの ことか ら,都 市計画 においては, 「住民参加型 のまちづ くり」とい う考え方が近年注 目され ている. しか しなが ら,こ れ らの社 会問題 は,都 市計画 に対 し て住 民が期待 し必要 としている ものを行政が把握 しきれ てい ない ことに起 因 してい る と考 えられ る.そ のため, 開発 プ ロジェク トを行 う際 には,住 民の同意が得 られ る ように計 画策定段 階でのアセス メント(計 画 アセス メン ト)を 行 う必要性が認識 されつつある1). 従 来,環 境 アセスメン トにおいては,事 業推進段階で のアセス メン ト(事 業アセス メン ト)が 主要であったた め,計 画 アセスメン トのシス テム化 は事業 アセス メン ト より整備 されてい ないのが現状 である1).ま た,従 来の 都市計画 においては,住 民が要望 している快適都 市 に関 す る情報が不十分 であるため,漠 然 とした計画 を定める に留 まっている.そ のため,住 民 の要望 に基づ いた都 市 施設 に関す る定量的 な総合評価,都 市計 画に対 する立案 支援 のシステム化が必要 とされている. 筆者 らは,住 民意識調査 に基 づいた住 環境評価尺 度 と して快適度 を提案 し,都 市施設が住 環境 に与える影響 を 個 々の評価対象 地点に対 して,定 量 的かつ総合 的に評価 できるシステムを構築 して きた2),3).し か しなが ら,都 市施設の 開発 は広範囲の地域 に影響 を与 えるため,行 政 は個々の評価対象 地点に対 して開発プ ロジェク ト評価 を 行 うだけ ではな く,公 平性 を考慮 した複数 の地点 に対 す る評価 を行 うことが必 要である. 従来,都 市施設の開発プ ロジェク トに対す る公平性 の 評価 においては,都 市施設 の利用者数 な どの指標 に より 評価 されて きた4).し か しなが ら,参 考文献4)で は,快 適都市 に対 する住 民の要望 が評価指標 に反 映されていな いため,開 発 プロジェク トを行 う際 に住民 の同意 を得 る ことが困難であ ると考 えられ る.ま た,効 率性 と公平性 は単位 が異なるため,そ れらを比較す るこ とが容易 では ない とい う問題 点な どが ある. 本速報 では,以 上の よ うな問題点 を解 決す るため に, まず,快 適度 を用 いた住 環境評価手法3)に 基づ き,複 数 の評価対象地点 に対す る住環境評価 を行 う.つ いで,評 価対 象地域に対 する開発 プロジェク トの公平性 を標準偏 差 を用 いて評価 する ことにより,効 率性 と公平性の単位 を同次元 に し,住 宅地域 におけ る公平性 を考慮 した開発 プロジェク ト評価 シス テムを構築す る.さ らに,仮 想的 な都市施設 の開発計画案 に対 して,本 システム によるシ ミュレーシ ョンを行い,そ の結果 に対 して考察す る.

Support System for Urban Planning Using Comfort Degrees