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体内に挿入あるいは留置されるデバイスの多くは,体内 の周辺組織を傷つけないよう安全性が求められ,ツール自 体に柔軟性が求められる場合が多い。例えば,消化管など に軟性内視鏡を挿入する際,血管などにカテーテルやガイ ドワイヤを挿入する際には,周囲の消化管や血管内壁を傷 つけたり壁を貫通し穿孔しないように生体の複雑な形状に 追従して柔らかく変形することが求められる。また眼底な ど非平面の立体的な形状に合わせて刺激電極を留置する際 は,電極が柔らかく変形してデバイス周囲にフィットする ことが求められる。カテーテルやペースメーカーのリード のような索状物を体内に留置する際も周辺の柔らかい組織 に追従し周囲を傷つけないように柔軟性が求められる。 脳神経などの中枢神経や末梢神経の電気刺激,および活 動電位計測の目的に用いられる神経電極の一部は,フレキ シブル基板と組み合わせ電極や配線も柔らかくできること から全体をフレキシブルにできる。基板の材料としてポリ イミド やパリレン などのポリマーのほか,ボロンドー ピングによりシリコンウェットエッチングにより厚さ十数 m mと薄く残るようにしたシリコン層を用いることもでき る 。そのほか数種類のセンサをあらかじめ搭載した熱可 塑性のポリマーによるリボンをらせん形状に変形させるこ とで,カテーテルを多機能化するためのフレキシブルな パーツとしても作製できる 。 ほとんど多くのMEMS(微小電気機械システム)デバイ スおよび集積回路は柔軟性を確保できず,体内で用いるデ バイスに組み込んで安全に用いるには実装上の制限がある。 また,デバイス自体をパーツとして小さくしても,電源や 信号線として用いられるリード線や光ファイバなどをデバ イスに接続するための接続部が硬く柔軟性を損なうことが 多く,できるだけ接続部を小さくすることが求められる。 リード線へのデバイス接続手段として,デバイス上にボ ンディングパッドを作製し,はんだや導電性接着剤などで 接続する方法を用いることもでき,例えば連載 1回目でも 紹介した外径 0.014インチ (0.35 mm)のガイドワイヤに搭載 した圧センサはピエゾ抵抗効果による圧センサとボンディ ングパッドがFig. 1のように一体で作製されている 。接続 部をアダプタとして別パーツにする場合もあり ,この場 合センサや回路はフリップチップ実装されることが多い。 接続パーツ自体をフレキシブル基板を用いて柔軟にした例

High-Functionalization and Multi-Functionalization of Medical Devices for Use in Human Body