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1.はじめに 人間の日常生活や労働の場において,前腕の ひねりを伴う運動は多い1).例えば,ドライバ によるネジ回し,ドアノブの回転などは前腕の ひねりを伴う.このとき作業の対象はいつも同 じ位置にあるとは限らない.このような状況に おいて可動域や回し易さといったものはどの ケースにおいても一定であるとは考えにくい. 本研究では,前腕のひねり作業に着目し,作 業対象の位置によって回転可動域がどのよう に変化するかを実験して計測する.また,計測 結果を基に,上肢と作業対象から構成されるリ ンクモデルにおいて,各セグメントの方向ベク トルの一致度を定義し,その一致度から作業対 象の回転可動域を推定する方法を提案する.さ らにこの結果をデジタルヒューマンに組み込 み,作業対象の配置を検討するための評価シス テムを開発する. 2.実験方法 本実験では,前腕ひねり作業としてドライバ (ここでは丸棒)によるネジ回しを想定し,ま ず作業対象を被験者の周り,種々の位置に配置 し,その位置ごとに,前腕の作業姿勢を 2台の ビデオカメラで計測し,同時に作業対象の回転 可動域を計測する.次いで,図 1に示すような 作業対象と上肢から構成されるリンクモデル において,各セグメントの方向ベクトルを導出 するため,各セグメントの両端の 3次元座標を DLT法により取得する. 計測点は,同図に示すように,作業対象の両 端(1)(2),手の甲に取り付けたポールの先端(3), 手関節中心(4),肘関節中心(5),脇から肘へ向か って 50mm 程度の上腕上端(6)とする.また, それらを通る方向ベクトルをそれぞれ a~d と する. 作業対象の位置は,被験者の右肩を中心とし て,水平面内で左端から右端まで腕をまっすぐ 伸ばした状態の 5通りとする.矢状面内で上端 から下端まで腕をまっすぐ伸ばした状態の 5通 りと,その半分の位置の 5通りとする.水平面 内および矢状面内の組み合わせは,計 34 通り となる. 被験者は 21~26歳の男子 7名とし,いずれ も右利きとする.被験者 7名のうち,3名につ いては,34 通りの姿勢のうち,20 通りの作業 姿勢について計測を行う.残りの 4名について は 8通りの姿勢とする. 前腕ひねり運動は,作業対象の位置だけでな く,作業対象の回転軸の方向などによって,そ の挙動が異なると考えられる.本実験では,こ れらの要因を以下のように限定して実験する. (1) 作業対象形状:円筒(140mm×φ20mm) (2) 回転軸の方向:矢状軸,(3) 回転抵抗:なし (4) 把持:右手でドライバを自然に把持する握 り方 実験手順はまず,作業対象を把持したまま, 左方向(回内)へ回転させ,回転限界で静止さ せる.次に,2台のビデオカメラで 1秒間撮影 する.そして,右方向(回外)へ回転させ,回

Extending such Function of a Digital Human as Evaluating the Operations with Forearm Torsion