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1.は じめ に:ロ ボット技術は、産業用だけなく 民生用の分野においても広 く開発 ・利用されてき ている。特に近年、危険な現場での作業や人間が 作業す るのに不向きな場所における作業におい て遠隔操作型ロボ ッ トの利用の可能性が広がっ てきており、今後、福祉作業,宇 宙開発,医 療現 場な どでも遠隔操作型 ロボッ トが実社会で普及 すると予想されている1)。一般に、モニタを見な がら遠隔操作をおこなう場合、実際の動きとは異 なる目と手の協調作業が要求されるため、従来の 動作研究や生体負担 に関する知見の適用は困難 である2)と されている。このような遠隔操作に関 する研究は数多く報告されているが、遠隔操作に お ける人間の生体特性についてはほとんど報告 されていないのが実状である。そ こで本研究では、 動作空間を制限した空間位置決め動作を対象に、 モニタの有無が生体およびパフォーマ ンスに与 える影響について実験 を通 して検討することを 目的とする。本報告では、生体特性 として上肢筋 電位、パフォーマンス指標として位置決め作業に おける動作時間、および動作のエ ラー率について 検討する。 2.実 験方法: 被験者:本 実験の被験者は成人男女5名 である。 手順:実 験システムの構成を図1に 示す。被験者 は、栂指と示指で45gの 対象物を把持し、始点終点間90cmを 結ぶ直線を軸とする円柱状の動作 制限領域(不 可視)内 を、始点か ら終点に早く、 かつできるだけ制限範囲外にでないように動作 した。動作空間の大きさは3水 準(r=1.0cm,1.5cm, 25cm)と した。また、直接肉眼で手元を見なが ら 動作する場合と、動作空間と対象物の現在位置が 逐次表示されるモニタを見なが ら動作する場合 の2条 件でおこなった。直視動作におけるエラー のフィー ドバック方法は、アラーム音により聴覚 情報を提示 した。始点か ら終点を1試 行として、 各条件において3試 行お こなった。以上の条件の 下で、上肢筋電位、動作時間を計測し、動作軌跡 から各動作のエラー率(動 作空間の外に対象物が 出ていた時間比率)を検出した。

Physiological characteristics in tracking task required fine arm control