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1.は じめに オフィスなどの作業環境は、温熱 ・光 ・音な どの環境要因が相互に関連 しあって、そこで活 動する人の快適性や作業適合感などの感覚に影 響を与える複合環境として捉えることができる。 温熱、光、音等の複合環境でそれらの異種要因 が不快さなどの感覚に与える影響の評価に関す る報告がなされている1)~2) 筆者らは、オフィスを想定して環境を説明す る環境物理量として室温 ・照度 ・騒音の音圧の 3要 素を組み合わせた定常均一環境条件のもと で、長時間の作業負荷を与える被験者実験を行 った。これにより、環境要因と心理量 ・生理 ・ 作業能率を指標とした作業適合性に関する定量 的な評価評価指標を求める目的で検討を進めて いる。3)~5) 本報では、被験者申告から得られる、作業適 合感と複合環境要因との相関関係を指標化する ための解析結果について報告する。 2.実 験方法及び条件 オフィス空間を想定した空調 ・照明 ・騒音の 各環境レベルの設定を独立に制御できる複合環 境実験室(間 口×奥行き7×7m、 高さ3m) で、空調、照明装置により室温、机上面照度の 設定、室内に設置された音発生装置により騒音 (空調機音)を 設定 した。環境条件の組み合わ せは表1に 示すように、各環境要素について3 条件とし、27通 りとした。被験者には、180 分間のペン入力パ ソコン(平 均輝度約25(cd/ m2)による連続一位加算作業を負荷し、その作 業量等の計測を1分 毎に行った。 主観量 は作業中約30分 毎に計測 し、質問の提示、 回答はペ ンパ ソコン上で行い、15分 毎に皮膚温、 CFFな どの生理量の計測も同時に行 っている。 主観量 は個別環境の支配的な感覚(温 冷感、 明 るさ感、 うるささ感)の 他に、環境の総合的な 評価 とみなされ る不快感、作業適合感、心身の 疲労に関す る疲労感、爽快感、眼の疲れ感で あ り、その主観申告値のスケールについては前報 5)で述べてい るが 、作業適合感は 「適 していな い」か ら 「普通」までの5段 階としている。な お、被験者は20才 台の女性で、条件により人数 は異な るが、8~16人 である。

The effects of office environment on psychological adaptability of work. (4). Analysis of sensation for work-suitability.