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成人のMeckel憩室内翻を原因とする腸重積症は比 較的稀な疾患である.今回,単孔式腹腔鏡手術にて切 除しえた1例を経験したので文献的考察を含めて報告 する. 症 例 患者:47歳,男性. 主訴:右下腹部痛. 既往歴・家族歴:特記すべきことなし. 現病歴:一カ月前から軽い腹痛を自覚し,さらに血 便を認めたため近医を受診した.上部および下部消化 管内視鏡検査にて異常を認めず,当院紹介受診となっ た. 入院時現症:身長171cm,体重 68kg,体温 37.1°C, 血圧 96/66mmHg,脈拍 74/分.貧血,黄疸なし.表 在リンパ節は触知せず.腹部は平坦・軟,右下腹部に 軽度圧痛を認めたが,筋性防御なし. 血液生化学検査:WBC 7,200/mm,CRP 0.3 mg/dl以下と炎症所見は認めず,Hb 11.4g/dl,Hct 34.5% と軽度貧血を認めた.他には異常を認めなかっ た. 腹部造影 CT検査:右下腹腔内に内部に層状の脂肪 組織を伴う腫大した腸管を認め,腸重積症が疑われた. 重積先端部と考えられる部位には脂肪を主体とした腫 瘤を認めた(Fig.1a,b). 小腸造影検査:回盲弁より約40cmの部位に内腔に 突出する隆起性病変を認めた(Fig.2). 以上よりMeckel憩室の内翻または脂肪腫による腸 重積症と診断し,単孔式腹腔鏡手術を施行した. 手術所見:臍を縦方向に2.5cm切開・開腹し(Fig. 3a),開腹創にウーンドリトラクター(ALEXIS WOUND RETRACTOR,S)を装着した.さらにそ の上からグローブをかぶせて,3本の5mmトロッカ ーをグローブの指の部位から挿入し気腹した.回盲部 から小腸を順次たぐって,腸重積部を同定し体外に引 き出した(Fig.3b).同部の小腸を部分切除し,機能的 端端吻合を施行した. 切除標本肉眼所見:切除回腸内には突出する棍棒状 の隆起性病変が認められたが,腫瘍性の病変ではなく 内翻した憩室によって形成されていた(Fig.4a).その 反転基部は腸間膜近傍にあり,一部腸間膜脂肪組織を 巻き込んでいた(Fig.3b). 病理検査所見:真性憩室であり,その頂部に粘膜面 の糜爛を形成していた.間質には腺房細胞とランゲル ハンス島を含む膵組織が認められた.内翻部の中には 腸間膜からの脂肪組織を含んでいた(Fig.4b,c).

An adult case of intussusception caused by an inverted Meckel's diverticulum resected via single port laparoscopic surgery