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超硬合金,サーメット,超高圧焼結体等のハードマテリ アル(硬質材料)は切削工具,耐摩耗工具・部品,鉱山土 木工具等に使用され,用途に応じ最適材料が使い分けられ ている.ここ数年,資源・環境・エネルギー問題は世界的 な課題としてその重要性および緊急性が一段と高まってお り,ハードマテリアルの開発にも大きな影響を及ぼしてい る.ハードマテリアルとして最も使用量の多い超硬合金の 主成分は炭化タングステン(WC)であり,原料であるタ ングステン(W)の生産・供給の約 9割は中国に依存して いるため,その安定確保は業界における喫緊の課題であ る.このため,Wの使用量低減技術および代替材料の開 発は,2007 年度より実施の経済産業省・NEDO((独)新 エネルギー・産業技術総合開発機構)の「希少金属代替材 料開発プロジェクト」にも採択され国家プロジェクトとし ての取り組みが行われている. 一方,ハードマテリアルの使用用途の 7割以上を占める のは切削工具である.切削加工はものづくりに欠かせぬプ ロセスであり,近年では高速・高能率加工や高精度加工へ の取り組みが従来にも増して精力的に行われている.ま た,材料の高強度化,金型材の直彫り加工,鉛フリー化 等,被削材は難削化の傾向にある.これらの市場ニーズに 応え,世界的な課題を解決していくため,先進的なハード マテリアルの開発やそれを応用した新しい切削工具の開発 がますます重要になってきている. ここでは切削工具用を中心にハードマテリアルの概要を まとめるとともに,最近の研究開発動向や今後の課題につ いて展望する.

Recent Development Trend and Future Challenge of Hard Material