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骨の損傷 ・欠損 に対 して,組 織再生工学の技術を駆使す ることにより,構 造と機能の両面から再生 を目指す試みが 進め られている1)~3).こ こで用いられ るポーラススカフ ォール ドには,骨 再生のための各種細胞への足場の提供 と 同時に,埋 植直後か ら,骨 の主な機能である力学的な荷重 支持機能 を代替することが期待 される.さ らに,生 分解性 高分子材料,あ るいは,ア パ タイ トなどの無機材料 との複 合併用により,生 体内において分解 ・吸収 され,最 終的に は,新 たな骨へ と置換 されることが望 まれる. スカフォール ドには,細 胞 との相互作用や細胞外マ トリク スの接着性,生 体適合性,生 体吸収性,あ るいは,十 分な 力学的特性など,バ イオマテリアルとしての多くの機能が要 求 される.さ らに,ス カフォール ド構造内への細胞の移動や 物質の輸送,力 学的機能代替物 としての構造特性などを考 えた場合,ス カフォール ドの外形状や内部微視構造に大き く依存する形態的な特性が要求 される.例 えば,ポ ーラス スカフォール ドにおいては,空 孔率 だけでなく,微 視構造 レベルにおける空孔形状やサ イズ,そ れ らの連結性や異方 性などが,重 要な設計変数 となり得る.そ のため,ス カフォ ールドを実際の臨床に応用するためには ,個 体差,埋 植す る部位や欠損形状,力 学環境などを考慮 した上で,最 適な スカフォール ド構造を設計する支援技術の開発が望 まれる. 近年の微細構造の設計 ・製造技術の進歩により,高 度に 制御 された微視構造を有するスカフォール ドの造型が可能 にな りつつある2)4~7).さ らに,こ れ らの技術は,X線 CT画 像やMR画 像などの医療画像 を用いたデジタルイメ ージベースモデ リング技術と計算力学シ ミュレーション技 術の進歩8)~10)に よ り,さ らに,詳 細な最適設計技術へ と展開 されつつある. 本報では,骨 再生シ ミュレーションを用いたポーラスス カフォール ドの構造設計支援について述べる.ま ず,ス カ フォール ドを用いた骨再生現象を表現するため,ス カフォー ル ドの分解 ・吸収モデルと骨-ス カフォール ド表面におけ る骨形成 ・吸収モデルを組合せることにより,骨 再生シ ミ ュレーションモデルを構築す る3).次 に,3次 元的な空孔 構造を有するスカフォール ドに対 して,骨 再生シ ミュレー ションを適用 し,得 られた骨再生過程 における骨-ス カフ ォール ド構造体の形態および力学的機能の変化 について 検討する.さ らに,骨 再生シ ミュレーションを用いたスカ フォール ド微視構造の最適設計手法の枠組みを提案する.

Design Method of Porous Scaffold Microstructure by Computational Simulation of Bone Regeneration