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ITPの 成因に自己抗体が関与す る こ とは, Harringtonら1)が, ITP患 者血漿を正常人に輸 注すると急激な血小板減少が起こることを証明 し, この血漿成分を血小板障害因子と名づけた ことセこ始まる. その後, Shulmanら2)3)に よってその因子が IgG分 画にあり, 自己抗体であることを示唆す るとともに, ITPに おける血小板減少に果たす 網内系の役割について報告 して副腎皮質ステロ イ ドや摘脾が治療に有効であることを述べた. しかし, Luhumaら4)はITP患 者に免疫複 合体を検出し, ITPに おいては抗血小板 自己抗 体だけでなくさまざまな抗体が出現することが 明らかにされた. 一方, in vitroで の血小板自己抗体の証明に ついての研究はその後めざましい進展をみなか ったが, 1982年, Van Leeuwenら5)に よって 血小板遊出物及び血 清 か ら, 1984年, Woods ら6)7)によって血漿から自己血小板に対応抗原 を持つ抗体が証明された。 これらの自己抗体の対応抗原については, 彼 らは, その エ ピ トープが血小板膜表面糖蛋白 GPIbあ るいはGPIIb/IIIa複 合体に在ると述べ ている. 以下, これ らの点について, 著者 らの教室の 成績を交えなが ら概説 したい.

Antigens for antibodies in idiopathic thrombocytopenic purpura.