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近年,海上空港や,風力・太陽光発電の基地,そして, 災害時の避難場所として,超大型浮体構造物の利用が考 えられている.超大型浮体構造物は,曳航等により移動 可能であるという特徴を有し,また,日本のような島国 では,空間の創造という意味でも有効であろう.しかし ながら,こうした構造物は,流体上に存在し,超大型で あるがゆえに変形し,振動する.従って,超大型浮体構 造物の設計のためには,変形する構造物の振動と流体の 運動の相互干渉を把握する必要がある. 例えば,堺ら(1998)は,津波が入射する際の薄板状 浮体と流体の干渉問題に関して,鉛直断面内の運動を対 象とした水理実験及び数値解析により調べた.また,遠 藤(2000),Hermans(2000)及びKashiwagi(2004)は, 海上空港を想定し,平面方向に広がりのある薄板状浮体 構造物上を荷重が移動する場合を対象として,浮体の線 形な応答の数値シミュレーションを行なった. そこで,本研究では,超大型浮体構造物である海上空 港を想定した数値シミュレーションを行ない,航空機の 離着陸に伴う超大型浮体構造物の振動に関して検討する. ここでは,相対水深が浅い水域における表面波の非線形 性を考慮するため,断面2次元において表面波及び内部 波と薄板状浮体の相互干渉問題を対象とした数値モデル (山下ら,2011;Kakinumaら,2012)を3次元問題が解 析可能な数値モデルに拡張する.基礎方程式は,水の波 の変分原理に基づく非線形方程式系と,線形古典理論か ら得られる薄板の運動方程式である.数値解析では,水 面の薄板が存在する位置に曲げ剛性率を与えて,一部の 水域を覆う薄板を表現する.この手法により,薄板の端 部における波の反射や透過を考慮することが可能である.

Numerical Simulation of Oscillation of a Very Large Floating Structure Due to Takeoff or Landing of an Aircraft