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函館市では現在,「国際水産・海洋未来都市構想」 に際し,函館ドック跡地に国産水産・海洋総合研究セ ンターを建設することや,マリーンレジャーの場及び 大型蓄養施設として函館港の港奥海域を利用する構想 が計画されている .しかし,これまでの港湾は,静 穏度の確保や荷役作業の安全性に重点が置かれ整備さ れているため,特に港奥海域では閉鎖性が強く,水質 の悪化が問題となることがある.函館港の港奥海域に おいても,長年に渡る造船業や水産業により水質の悪 化が懸念されるが,過去に函館港を対象とした港内の 流動や水質の変動特性を詳細に取り扱った研究は見当 たらない. 本研究は,函館港港奥海域の水質と水位に関する 1 昼夜連続観測及び準3次元多層モデルによる流動計算 から港内の流動外力を特定するとともに,港奥海域の 水質変動メカニズムを解明する.更に港湾全域を対象 とした水質の長期観測及びトレーサ粒子による追跡解 析により港奥海域に蓄積する栄養塩の供給源について 検討する.また,これらの結果に基づき,今後実施予 定の自律駆動型水素吸蔵合金アクチュエータによる海 水交換装置 2) の現地実験に際して,装置運用後の港内 の水質改善効果や,港湾周辺海域の水質環境に及ぼす 影響を定量的に予測・評価可能な函館港における準3 次元水質環境モデルを構築し,その予測精度やモデル の妥当性を検証するものである.

VARIATION CHARACTERISTICS OF TIDAL CURRENT AND WATER QUALITY IN HAKODATE PORT