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食品から化粧品まで泡製品は身の回りに多く存在し,泡 の構造および寿命と緩和が食感や使用感に影響している.化 粧品用途においては,泡の評価は専門のパネラーによる官 能評価が一般的である.しかし官能評価では,個人差や体 調の影響を受けるなどの問題があり,客観的かつ定量的な 評価法が必要とされている. 泡の評価法については既に多数の研究がある が,泡の 寿命と緩和の評価法は十分に確立されているとはいえない. 例えば,Kimizukaと Sasakiは,表面粘性と泡寿命の相関を 報告しているが,泡寿命の測定は試験管中に発生させた泡 の消泡過程の観察から簡易に得たものであった.同種の測 定はより制御された形に発展しており,例えば,Monsalve と Schechterや櫻井ら はガスの流量を制御した泡沫発生装 置を用いて初期状態を制御している.しかし,この方法は 原理的に重力の影響が大きく ,また,泡に対する流動変形 の効果を評価できない. Szekrényesyら は,気泡の液膜厚みを回折光で測定し, 液膜厚みの時間変化から泡の寿命を定義した.この方法に より,Szekrényesyら は界面活性剤濃度や温度,泡の大きさ, 泡の構造などが寿命に与える影響を定量的に評価している. しかし,Szekrényesyらの手法は表面に露出した液膜の厚み のみを評価するもので,バルクの性質を表すものであるか 不明である. 一方,バルクの泡の性質をレオロジーで評価しようとする 試みは多いが,泡の緩和と寿命に関する報告は少ない.特に, 泡の寿命が短い系に関する報告がない.小松ら は平行平 板型レオメーターによる泡の粘弾性の評価を試み,粘性と 弾性の分離に成功している.しかし,測定周波数域が限ら れており,粘弾性からの緩和の評価は出来ていない.また, 測定時間に対して寿命が十分長い泡を用いていることから 寿命に関する評価は行われていない. 山縣ら は,頭髪用エアゾールフォームの動的粘弾性と フローカーブを測定し,これらの物性と官能評価の相関を報 告している.それによると手のひらで伸ばすような官能は フローカーブの特性,泡の静置状態にかかる官能は動的粘 弾性で得られる物性,とそれぞれに関係する.同様の報告は, 松田 や宮本 によってもなされている.しかし,これら の測定対象も測定時間に比べて寿命の長い泡であり,また Characterization of Transitional Behavior of the Facial Wash Foams via Dynamic Viscoelastic Measurements